1968 年 71 巻 10 号 p. 1615-1618
力焼ジャモン岩からマグネシアを分解溶出させる方法として, 酸分解によらず, 強酸と弱塩基の塩の溶液による分解方法について, 本報では塩化アンモニウム溶液による抽出を検討した。
ジャモン岩は愛知県吉川産のものを用いた。熱分析によって脱水およびホルステライト化のおこる温度をしらべ,610~950℃で力焼した。このカ焼物を塩化アンモニウム溶液中で沸点付近の温度で分解し, 溶出したマグネシアから分解率を求めた。カ焼温度7 30℃で分解率約80%を得た。分解速度は塩化アンモニウム溶液の濃度およびカ焼物の粉末度とともに大となり,その分解速度式を求めた。溶出のときスラリー濃度をあげると分解率は塩化マグネシウムの濃度上昇のため低下する。
X 線分析からジャモン岩を脱水温度範囲で力焼したものは非晶質構造となってマグネシアが溶出する。さちに高温でカ焼するとホルステライトへ再結晶してマグネシアが溶出しなくなって分解率を低下させることがわかった溶出した塩化マグネシウムは純度高くアンモニアを添加しても沈殿を生ぜず, Fe,Al, SiO2は定量できない。
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