工業化学雑誌
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リン鉱石のカセイカリ処理
大脇 友三郎岡部 泰二郎堀省 一朗
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1968 年 71 巻 10 号 p. 1611-1614

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抄録

リン鉱石をカセイカリで処理し, リン酸をク溶化させ, リン酸およびカリをふくむ化成肥料を製造する方法について研究した。。
リン鉱石とシリカゲルとを濃厚カセィカリ水溶液で種々のモル比に混合してねり, 電気炉中で700~1300℃,1時間加熱処理した。処理後,生成物を炉外に取り出し空冷,粉砕し分析した。
リン酸のク溶率を95%以上にするには, カリの添加量は最低モル比[K2O]/[P2 O 5]=1.3~1.4必要である。カリの添加量がモル比[K2O]/[P2O5]=1.5以下では, リン酸ク溶率はシリカの添加量がモル比[SiO2]/[P2 O 3]=0.9~1.1のときに最大となる。

生成物中のリン酸はク溶性であるが, カリは大部分水溶性である。1%水溶液(ロ液)はpH10~13の塩基性を示す。生成物の主成分は, X線回折からカリウムレナニット(CaKPO4)であることが明らかとなった。

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