工業化学雑誌
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連続薄膜流下型反応器による直鎖α-オレフィンのスルホン化
永山 升三岡田 広司森 昭富山 新一
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1969 年 72 巻 10 号 p. 2248-2253

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抄録

直鎖α-オレフィンに無水硫酸を反応させて界面活性剤を合成する最適条件を検討するために実験室規模の連続薄膜流下型反応器を用いて研究した。スルホン化によりアルケンスルホン酸とサルトンを生成し,さらにサルトンは加水分解してアルケンスルホン酸とヒドロキシアルカンスルホン酸を得た。好ましくないジスルホン化反応の発生は主にオレフィンと無水硫酸の比率により決まる。ジスルホン酸ナトリウムとモノスルホン酸ナトリウムは薄層クロマトグラフィーまたは向流分配抽出法により分離定量できる。アルケンスルホン酸ナトリウムにおける二重結合はΔ7の位置にまで分布し,特にスルホン化温度が高い場合移動がはげしい。またすべてのモノスルホン酸ナトリウムのスルホン基位置は核磁気共鳴による測定の結果,末端にあると推定された。,末端にあると推定された。
このスルホン化には最適温度が存在し,そこでスルホン化到達率は最高になる。その温度は約50℃で無水硫酸の比率が多い場合ジスルホン化反応も同じ結果となる。
スルホン化反応の速度はかなり速いと推定される。α-オレフィンとアルキルベンゼンの混合下でのスルホン化では,オレフィン,オレフィンの方がより選択的に反応することが見出された。

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