工業化学雑誌
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ドデシルピリジニウムクロリド-金属(Ia,IIa族)セッケン二成分系水溶液の界面活性(その4)
鈴木 洋
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1969 年 72 巻 10 号 p. 2253-2259

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抄録

ドデシルピリジニウムクロリド(DPC)と各種金属セッケンの二成分系水溶液の分散力および抗菌力につき検討を加えた。分散力では二酸化マンガン,カーボンブラックに対し顕著な相乗効果がみられた。酸化チタンに対しては,両成分単独系の性質の現われる濃度および混合比の範囲の存在が認められた。リシノール酸,ラウリン酸のアルカリ土金属塩が概してすぐれていた。酵母,カビ,細菌に対してDPCは強い抗菌力を示し,セッケンの添加により効果が阻害されることは少なく,かえって相乗効果が一部にみられた。DPC:リシノール酸バリウム(5:1モル比)ではP・citrinumに対し最小阻止濃度が5×10-6mol/l(約2.6ppm)に達した。金属セッケンの金属,脂肪酸基の種類による抗菌力の差は少なく,傾向は一定しなかった。DPC:セッケン=20:1~1:1の間では効力の変動は少なかった。

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