工業化学雑誌
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イオウ化合物存在下でのCOとH2Oの反応におけるNiO・MoO3MgO 触媒の活性とイオウ濃度の影響
土本 皓二小田 康博森田 義郎
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1969 年 72 巻 9 号 p. 1953-1957

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抄録

イオウ化合物の存在するような条件での一酸化炭素と水蒸気の反応に対して,すぐれた活性を有していたNiO・MoO3・MgO触媒について,触媒活性におよぼすイオウ化合物の種類とその濃度の影響を調べ,さらに,触媒の調製法や前処理条件の違いが活性におよぼす影響などについても調べた。
触媒活性の測定には,常圧流通式反応器を用い,反応温度は250~350℃とし,原料ガス組成はH2O5Ovol%,CO 25vol%,[N2+H2S]25vo1%とした。
本実験の結果によれば,NiO・MoO8・MgO触媒では,反応ガス中に含まれるイオウの濃度によって,その活性が異なってくるが,イオウがまったく含まれない場合でも,活性はOまで落ちることはなかった。また,NiO・MoO3・MgO触媒と現在工業的に用いられているFe・Cr触媒の活性を比較したとζろ,前者は後者の数10倍の活性を有していた。以上の実験結果から考えて,イオウ化合物の多量に含まれるようなガスを原料とするCO転化反応に対して,このNiO・MoO3・MgO触媒が工業的に利用されるようになる可能性は大きいものと推察した。

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