1970 年 73 巻 9 号 p. 2048-2051
四塩化スズ触媒下,ニトロエタン中におけるフェノール類とべンジルクロリドとの反応生成物の確認および分子内選択性について検討した。フェノールの場合には,m-ベンジルフェノールの生成を確認できなかったが,メチルフェノール類の場合には,o-,p-ベンジルフェノール類と同時に,m-ベンジルフェノール類も確認された。フェノール性水酸基に対するo-,p-位の反応性は大差なく,メチル基数の増加とともに大きくなる。m-位の反応性とメチル基数との関係はさらに著しく,メチル基を含まないフェノールでは,ほとんど無視できるのに対し,トリメチルフェノールでは,o-,m-,p-位の反応性がかなり接近する。
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