工業化学雑誌
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加圧式アルカリ蓄電池陰極板におよぼすアンチモンの影響
山下 大二郎山本 善史
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1971 年 74 巻 5 号 p. 875-880

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抄録

水酸化カドミウムとポリエチレンの混合物(9:1)をニッケル金網に圧着して製造する加圧式アルカリ蓄電池負極板におよぼす金属アンチモンの影響について検討し,つぎのような結果を得た。(1)(2)(3)(4)(5)(6)アンチモン添加により,活物質の利用率は10%までは上昇する。耐久試験によると,アンチモンを10%添加することにより容量減退が著しく減少する。アンチモン添加により充放電電位はやや一卑になり,過電圧は増大する。とくに充電特性が改善される。X線回折図によると,アンチモン添加により充放電反応Cd自Cd(OH)2の可逆性が促進される。アンチモンは充放電によって電解液中に溶出し,極板を多孔性にする。アソチモンが溶解することにより,電解液の比電導度が増加する。

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