工業化学雑誌
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連続吸収法によるガスクロマトグラフィーと赤外吸収スペクトル法の直結
井上 正秀津田 孝雄伊藤 利信石井 大道
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1971 年 74 巻 5 号 p. 880-884

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抄録

ガスクロマトグラフィー(GC)からの流出成分を,吸収型冷却器中で,溶媒(四塩化炭素など)に連続的に吸収させ,これを流動液体セル中に導くことにより,ガスクロマトグラフィー(GC)と赤外吸収スペクトル法(IR)を直結する新しい分析方法を確立した。
まず,IR波数を特性吸収波数に固定した場合,この方法によって得られるIRの透過率変化(IRクロマトグラム)とTCD検出器によって得られるクロマトグラムとの関係について検討した0すなわち吸収冷却器,流動液体セルの形状,溶媒流速などがどのような影響を及ぼすのかについて,相関関係を検討した。この結果,試料注入後,GCを作動させたまま,短時間,流動液体セル中の流れのみをとめ,迅速記録が可能な赤外分光光度計によって,各成分のIRスペクトルを試料メチルエチルケトンの場合,1μlの試料注入で透過率20%という良好な感度で測定することが可能であり,GC-IRの直結化を,簡便,容易,確実なものとすることがでぎた。

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