1936 年 57 巻 11 号 p. 1179-1189
1) 水に溶解して單相になり且其の交換反應速度の速かなる場合には蒸發分離の方法では眞の平衡を測定し得ざる所以を述べ水素を仲介とする間接的な方法を提出した.
2) 重メチルアルコホルは白金黒の存在の下に水素と交換反應を起し且その反應に與るのは水酸基のみである.
3) 液態メチルアルコホルと水素との原率比を實測既知の水と水素との原率比と組合せて間接的に液態メチルアルコホルと液態の水との原率比を求めた.
4) 重水素は液態メチルアルコホルと液態の水とのいづれにも偏在しない.
5) 重メチルアルコホルの液相氣相間の交換平衡を測定した.
6) 氣態メチルアルコホルと水素との交換平衡恒數と既知のスペクトル實測値より未知のスペクトル振動數のいづれかは水酸基の水素の與ふる振動なることを豫測した.
御懇篤なる御指導を賜つた堀内教授に深謝する.なほ本研究は學術振興會の補助に依り行つたものであることを附記して此處に謝意を表する.
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