日本化學會誌
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深海底土の化學的研究(其三)
深海底土のヴァナヂン,クロム及びモリブデン含量(第一報)
小穴 進也
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1938 年 59 巻 11 号 p. 1234-1236

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抄録

1) 濱口氏が化學分析を行つた6個の深海底土に就き更にヴァナヂン,クロム及びモリブデンの含有量を測定した.
2) ヴァナヂンはred clayに多くglobigerina oozeに少い.又粒子の細い泥に多く粒子の組い泥に少い.
3) クロムは深海底土に著しく少く含まれてゐるがモリブデンは地殼中の平均存在量と同程度に含まれてゐる.兩者ともその數値は個々の試料に就きまちまちで今のところその間に法則を見出し難い.
本研究は東京帝國大學理學部地質學教室加藤武夫教授が日本學術振興會の援助によつて續行中の研究の一部として同大學理學部化學教室木村健二郎教授の御指導の下に行つたもので此處に加藤,木村兩教授及び學術振興會に對し深く感謝する.尚試料は帝國海軍水路部の好意によつて提供せられ濱口氏により海水を透析處理せられたものである.此處理に記して同部及び濱口氏に感謝の意を表す.

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