日本化學會誌
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澱粉の研究
柏谷 義三郎
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1938 年 59 巻 11 号 p. 1261-1271

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抄録

以上の實驗結果により米澱粉はメチル化比較的容易にして,高粱,粟澱粉となるに從ひメチル化次第に困難となり,こは米の成績體にクロロホルム可溶性分多く栗に最も少き事によりも知らる.これらの事實はメチル置換體を加水分解し更に溶媒に對する溶解度の差よりメトキシ含量を異にする數種の劃分に分離するに各劃分のメトキシ價, n25D等より推察せるると共に,部分的メチル化主成積體たるDimethy-starchの分子比米に大に,高梁,粟順次之に次ぐ事よりも知らる.
終りに臨み澱粉の研究は恩師小松教授の御懇篤なる御指導竝に教室諸先輩の御助言に據れるものにして衷心感謝の意を表すると共に,試料の一部を供せられたる南滿洲公主嶺農事試驗場に對し謝意を表す.

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© The Chemical Society of Japan
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