1939 年 60 巻 10 号 p. 1025-1030
著者は植物精油は生體の生育に伴ふ蛋白の分解によつて生じるアミノ酸が分解してアルデヒドとなり,このアルデヒドの變化によつて生ずると言ふ考へを保持し,ロイシンの分解によつて生じるイソバレラルデヒドをテルペンの母體と考へるが,近來この考へを證明すべき文獻が二,三現はれた.
この報文に於ては著者はテルペンの生成機構としてイソバレラルデヒドの生體内酸化の様式を明かにする爲めに酸化劑として亞セレン酸を撰び,メチルアルコール又はエチルアルコール溶液中に於けるイソバレラルデヒドの酸化を行つて,主としてIsobntyrylformaldehyde及びそのAcetalを得て,イソバレラルデヒドよりテルペンを生ずる爲に生體内に於て受くべき酸化還元に就て論求する.
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