日本化學會誌
Online ISSN : 2185-0909
Print ISSN : 0369-4208
60 巻, 10 号
選択された号の論文の27件中1~27を表示しています
  • 兒玉 八郎
    1939 年 60 巻 10 号 p. 861-874
    発行日: 1939年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    現行工業分析法に於ける石炭の水分定量法は單に温度のみを定めて表面水分(氣乾水分或は濕分)と固有水分(或は單に水分)を定義せるため分析結果の一致は到底望み難くこれに基因する石炭取引上の不便は多言を要しないのみならず石炭の凍結問題,空氣選炭の適正問題等にも何等の解決基礎を與へない.
    よつて著者は石炭の水分の本質について研究しその變化より歸納して水は石炭中に溶解せるものと斷定しこの量Dは次式によつて表はさるることを誘導した.
    D=Mu
    ここにu′は外氣の濕度にしてMは石炭の飽和水分にして恒數なり.
    Mの値は石炭の種類及び温度によつて變化するものにして著者は滿洲炭についてこの値を測定せり.
    又著者は石炭工業分析をなす際の重要問題たる石炭の反應について研究をなし,石炭は空中に於いて50°C附近より化學變化を起すことを發見し普通分析の際に試料を105~110°に於いて乾燥することの不合理を述べその對策に就いて記述せり.
  • 服部 靜夫
    1939 年 60 巻 10 号 p. 875-878
    発行日: 1939年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    ラーゴニン即ち5, 7-ヂオクシ-8-メトクシフラヴォンから沃化水素酸によりメチル基を脱去する際γ-ピロン環が開裂して5, 6, 7-トリオクシフラヴォン即ちバイカレインを生ずるといふR. C. Shah等の研究結果と著者の以前得た結果即ち此場合正則のメチル基脱去により5, 7, 8-トリオクシフラヴォンを生ずることとの不一致を再檢し,兩者の差は主として沃化水素酸による〓熱温度の高〓に因ることを明らかにした.
  • 不鹸化物高溜分の成分
    外山 修之, 高橋 道和
    1939 年 60 巻 10 号 p. 879-884
    発行日: 1939年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    前報に於ては槌鯨油不鹸化物の低溜分中に存在する少量成分を檢索せしが,本報に於ては高溜分中に存在する飽和アルコール,モノエチレン系アルコール並に高度不飽和アルコールを檢索せり.其の結果飽和アルコール(少量)としてはn-エイコサノールを分離せり.又モノエチレン系アルコールとしてはエイコセノール(恐らくΔ9:11-エイコセノール即ちガドレイルアルコール)と一種のドコセノール(水素添加によりn-ドコサノールを生ず)を分離せり.又度不飽和アルコール中には其の主要部としてC20H34O及びC22H36Oの存在することを認めたり.
  • 武田 赳
    1939 年 60 巻 10 号 p. 885-894
    発行日: 1939年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    1)100%燐酸の性質並に構造を研究する目的をもつて,先づ86%, 90.33%, 100.65%燐酸溶液の比重を測定した.
    2)最大泡壓法による表面張力の測定法に改良を加へ,極めて大なる表面張力を有する溶液の測定を可能ならしめる事に成功し,上記三種の燐酸溶液について甚だ良好なる結果を得た.
    3)この表面張力の測定値よりして燐酸溶液の重合度を計算し,パラコアを求めた.
    4)100%燐酸のラーマンスペクトルを撮つた.
    5)以上の實驗値を用ひ,柴田の100%無機酸に對する説に從ひ, 100%燐酸の構造を推定した.
  • 野津 龍三郎, 李 漢英
    1939 年 60 巻 10 号 p. 895-899
    発行日: 1939年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
  • 硫化亞鉛結晶螢光體の螢光の強度に及ぼす温度の影響に就て
    上原 康夫
    1939 年 60 巻 10 号 p. 900-910
    発行日: 1939年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    1) 常温から450°Cに亘る温度範圍に於て硫化亞鉛螢光體の螢光の強度を測定した.
    2) 常温より温度の上昇すると共に硫化亞鉛螢光體の螢光強度が著しく減少する原因に對して理論的解釋を與へた.
  • 木羽 敏泰, 池田 正
    1939 年 60 巻 10 号 p. 911-914
    発行日: 1939年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
  • 熱天秤による重量分析研究其二十二
    吉田 幸人
    1939 年 60 巻 10 号 p. 915-917
    発行日: 1939年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    砒素定量法を熱天秤を以て批判し,秤量形と加熱温度範圍を示し且新方法をも研究せり. As2S3常温(<200°C), As2S5常温(<130°C), MgNH4AsO4・6H2O常温(<60°C), Mg2As2O7 850°~950°C, Ag3AsO4 550°~780°C, UO2NH4AsO4・3 1/2H2O常温(<60°C), UO2NH4AsO4・H2O 200°~310°C, (UO2)2As2O7 620°~680°C, BiAsO4・1/2H2O常温(<160°C), BiAsO4 450°~550°C, As空氣中常温(<80°C);炭酸瓦斯中常温(<160°C), As2O5 370°~490°C猶砒酸バリウム,三沃化砒素,砒モリブデン酸等の加熱曲線を示せり.
  • TlCl, TlBr, TlI, PbCl2, PbBr2, PbI2, ZnCl2, ZnBr2, ZnI2, CdCl2, CdBr2及びCdI2の蒸氣壓
    丹羽 貴知藏, 佐藤 宗光, 吉山 昌男
    1939 年 60 巻 10 号 p. 918-928
    発行日: 1939年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    1. 第二報と同様の装置を用ひて, TlCl, TlBr, TlI, PbCl2, PbBr2, PbI2, ZnCl2, ZnBr2, ZnI2. CdCl2, CdBr2及びCdI2の固體の蒸氣壓を測定した.
    2. 上の測定結果より次の熱力學的數値を算出した.
    (i) 昇華熱及び分子エネルギー最初測定の平均温度に於ける昇華熱の値を算出し,次に著者等の提出せる各成分の比熱の式を用ひて,其の絶對零度に於ける値を出し,更に此の値を用ひ,分子エネルギーを計算し,此等二つの結果につき第一報及び第二報の結果と併せ結晶化學的な考察を試みた.
    (ii) 化學恒數(i)の結果より第二報と同様各鹽類に關する化學恒數を算出した.
    (iii) 上に算出した化學恒數を用ひ,昇華遊離エネルギーの變化,昇華エントロピーの變化及び鹽類蒸氣のエントロピーを算出した.
  • 田所 哲太郎, 高杉 直幹
    1939 年 60 巻 10 号 p. 929-932
    発行日: 1939年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    MononucleotideのAscorbin酸オキシダ一ゼ作用を研究し其構造との關係を知らんが爲めGuanyl酸及びAdenyl酸を用ひて實驗を行ひ,下の如き結果を得たり.
    1) Levene法, Steudel法兩者による調製操作を異にするものにありても共にAscorbin酸オキシダーゼ作用を有す.
    2) Guanyl酸による該酵素作用の最適水素イオン濃度はpH5.8及び7.2附近にありて花甘藍の酵素の最適水素イオン濃度とよく一致す.
    3) Guanyl酸による該酵素作用の最少はpH6.5にありて該酸の等電點pH6.77に近きを認めたり.
    4) Guanyl酸による該酵素反應の速度は其濃度(酵素量)に比例するを認む.
    5) Adenyl酸にもAscorbin酸オキシダーゼの強力なる作用を有することを認め,其反應速度は一分子反應式によく適合すること花甘藍のAscorbin酸オキシダ一ゼに近似す.
  • 木羽 敏泰
    1939 年 60 巻 10 号 p. 933-936
    発行日: 1939年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    (1)鹽化第二水銀を亞燐酸を以て鹽化第一水銀に還元し重量分析をなす方法に就て研究しpH4.2-6.2に於てこの反鷹は加速され,常温に於て操作するのみにて簡單に定量し得る事を示せり.
    (2)在來反鷹を促進すると考へられたる鑛酸の濃度を大ならしむる事及び他の誘發性物質を添加する事は何れも無效なるを示せり.
    (3)水銀の定量に一般に利用し得べき實驗操作を記せり.
  • アルミニウム,ベリリウム,アンチモン,マグネシウム,モリブデン及びタングステンの螢光定量
    後藤 秀弘
    1939 年 60 巻 10 号 p. 937-939
    発行日: 1939年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    1) ウケナ氏比色計と同様の装置を紫外線透過ガラスを用ひて作り,モーリンを用ひてAl, Be, Sb;クルクミンを用ひてMg,及びコチニールを用ひてAl, Mo, Wの螢光定量を試みたり.
    2) 各々の定量に就て螢光の色,液の性質,添加アルコール量及び定量に適する液の濃度範圍を第1表に一括す.
  • アルマガム法に螢光滴定の應用(容量分析にアマルガムの應用第二十四報)
    後藤 秀弘
    1939 年 60 巻 10 号 p. 940-944
    発行日: 1939年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    1) 比較的よく紫外線を通過する硬質硝子にて作りたるアマルガム還元器を使用してアマルガム法に螢光滴定の應用を試みたり.
    2) Phosphine, Rhodamine Bを使用して過マンガン酸滴定によりチタン,モリブデン,〓ナヂン,ウランを定量し,硫酸第二セリウム滴定によりチタン,ウラン及びモリブデンを定量せり. α-Naphthoflavoneを用ひて臭素滴定によりチタン及び鐵の定量を行ひ, Rhodamine Bを使用して沃素滴定によりチタンを定量せり.
    3) Ferroinを指示藥としてウラン及びモリブデンの硫酸第二セリウムによる直接滴定を行へり.
  • 次亞鹽素酸曹達標準液,モリブデン酸アムモニウム試藥,可溶性澱粉指示藥
    後藤 秀弘, 武野 良二, 池川 正
    1939 年 60 巻 10 号 p. 945-948
    発行日: 1939年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    1) 晒粉を炭酸曹達と處理して得たる0.1N次亞鹽素酸曹達溶液は黒紙を以て遮光せる壜に貯ふればよく保存せられ,鹽素定量標準液として次亞鹽素酸カルシウム溶液に優れり(1年後の變化0.2-0.7%),但炭酸曹達の大過剩は之を避くべし.
    2) モリブデン酸アンモニウム25g/l,硝酸5N,硝酸アンモニウム3Nなる試藥は最よく保存に耐へ, 3年以上保存するも沈澱を生ぜず,且多量の硝酸アンモニウムを含むを以て,之を含まざるモリブデン酸アンモニウム試藥に比し燐酸に對する反應鋭敏なり.
    3) 沃素定量指示藥として可熔性澱粉溶液を保存するには沃化第二水銀,二硫化炭素,鹽酸或はサルチル酸の少量を添加すべし.斯くして保存せるものは10ケ月以上にわたりて沃素反應に變化を生ぜず,沃化加里,鹽化亞鉛及び沃化亞鉛は之に次ぎて良好なる保存作用あり.
  • 反應の機構
    田中 泰夫
    1939 年 60 巻 10 号 p. 949-957
    発行日: 1939年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    1) 前報に引續き酸化マグネシウムと酸化チタンとの反應に就て,試料を豫め1200°に加熱せる場合の實驗を行ひ,又水蒸氣の影響並に900°及び780°に於ける反應を明にしたが,何れの場合もこの反應に於て最初に生成されるものはMgO・2TiO2である.
    2) MgO・TiO2とTiO2との反應に於ては速かにMgO・2TiO2を生ずるも, MgO・2TiO2とMgOとよりのMgO・TiO2の生成は困難である.
    3) 1200°及び1000°に於けるMgO-TiO2系の焼成收縮を測定したが,之等の温度に於ても2MgO・TiO2の生成に伴つて焼結が著しい.從つて低温に於てはMgOに少量のTiO2を加へた場合に焼結が最大となる。
    4) MgOとTiO2との反應の機構に就て考察するに,温度が十分高くなれば夫々の結晶内に於てMg++及びTi++++イオンが動き易くなり,双方の結晶の相接する處に於ては兩者が作用して先づ無定形の皮膜を生ずる.次で茲に行つた實驗温度にては之より容易にMgO・2TiO2の結晶が發達する.既にこの結晶を生ずれば以後の反應は兩成分のこの層を通じての擴散に依て進行する.
    5) この混合比の如何に拘はらずMgO・2TiO2の最初に生成されるのは, MgO・2TiO2の結晶がMgO・TiO2に比して簡單にしてその結晶生成の容易なると, MgO・2TiO2を通じての擴散が又容易に行はれる爲と考へられる.
    6) MgO・2TiO2生成反應の速度はこの層を通じてのMg++及びTi++++の擴散に依つて支配されるものと見られ,各温度の速度恒數よりその活性化エネルギーを求むれば36.000ca1となる.この大きさは他の酸化物間の固體反應の活性化エネルギーの値と大體一致し,之は又金屬結晶間の擴散の活性化エネルギーと同様の大きさである.
  • 三浦 彦次郎
    1939 年 60 巻 10 号 p. 958-970
    発行日: 1939年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    (1) 玉川毒水除害の目的の下に湧泉と澁黒温泉地帯附近にて得られる安山岩,粘土類との作用に就き研究せる結果粘土,安山岩粉末はその使用量を増加する時は比較的短時間にても迅速に作用し遊離酸の97%をも容易に除去し得られ遊酸除去劑として甚だ有効なる事が認められた.
    (2) 澁黒湧泉は大理石とは極めて迅速に作用して中和される.從つて澁黒湧泉の中和には炭酸石灰を使用し得られる.
    (3) 澁黒湧泉の遊離酸除去の實施方法につき考察し湧泉の地下注入法が最も適合するものなる事を述べた.
    (4) 玉川下流に於て灌流用水その他に利用する場合の遊離酸除去法としては河水の必要量を分水し炭酸石灰中和法を行ふ事が適當なる事を述べた.
    (5) 秋田縣廰にて實施しつつある玉川毒水除害事業に就き筆者の關與せる湧泉の地下注入法實施状況の概要を述べpH1.1の原泉が地下注入後澁黒河岸に漏出せるものはpH2.8となり豫期の如く遊離酸の大部分が除去せられ地下注入法の甚だ有効なる事が實證せられた事を述べた.
    (6) 玉川毒水類似の遊離酸含有河川に對しその源泉附近にて地下注入法を應用する時には玉川毒水の如く含有遊離酸の大部分を除去し得べき事を考察した.
  • IV蟻酸ソーダの熱分解速度に及ぼす添加物の影響
    高木 外次
    1939 年 60 巻 10 号 p. 971-984
    発行日: 1939年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    1) 蓚酸ソーダ,炭酸ソーダ及び苛性ソーダ竝に酸化カルシウムを有する蟻酸ソーダ及び蓚酸ソーダの熱分解速度を測定した.
    2) 蓚酸ソーダを含有するものは收量は別として均一系期間即ち自觸反應の誘導期間を著しく短縮するが,炭酸ソーダを含むものは著しい影響を有しない.
    3) 蟻酸ソーダは融態に於てはNaO-C-OHの形で存し,炭酸ソーダ及び蓚酸ソーダの併行反應はにより,又212°Cに於ける苛性ソーダとの反應は,に因るとすることが出來,苛性ソーダ又は酸化カルシウムの觸媒機構は夫等が此不安定な蟻酸ソーダの分子間に一旦入り兩炭素原子を結合すべき機會を與へ再び元に戻る爲め主に活性ある蓚酸ソーダを生ずるもの説明出來る.酸化カルシウムの活性は300°C附近で消失する.
    4) 蓚酸ソーダの加熱分解は400°C項から初まりNa2C2O4=Na2CO3+CO及び2CO=CO2+Cなる連續反應が生起するが,其速度極めて小であり,殊に一酸化炭素の分解反應は炭素が遊離するに從つて其速度を減ずるものなるが故に360°Cの様な比較的低温度に於ける蟻酸ソーダの分解生成物の炭酸ソーダ及び遊離炭素中には上の兩反應によるものを僅に含むのみである.
    5) 上研究の結果蟻酸ソーダよりする蓚酸ソーダ製造に於ては約1~2%の苛性ソーダに以上の蓚酸ソーダを加へたものを急熱して310°Cに達せしめる事を最適條件と斷定し得る.
  • 鹽化加里重水溶液の蒸氣壓と其の熱力學的數値の算出
    丹羽 貴知藏, 島崎 英一
    1939 年 60 巻 10 号 p. 985-994
    発行日: 1939年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    (1) 第一報1)に用ひた装置に少量の重水溶液を精確に造り得るやう改良し,第一報と同様の精密示差壓力計を用ひて1°~3°C間の重氷の蒸氣壓, 4°~13°C間の純重水の蒸氣壓並びに濃度範圍0.1732molより飽和迄の各濃度の鹽化加里重水溶液につき温度範圍4°Cより13°C迄に於ける蒸氣壓降下を測定した.
    (2) 該測定値を用ひ次の如き熱力學的數値を算出した.
    (i) 測定温度範圍に於ける重氷及び重水の蒸氣壓の温度に對する實驗式並びに各濃度溶液中重水の活度と温度との關係を表はす實驗式.
    (ii) (i)の1實驗式より先づ重水の蒸登熱,重氷の昇華熱及び融解熱を算出し,熱量計による實測値と完全なる一致を見出勢した.
    (iii) 飽和溶液に對する實驗式より全溶解熱Lsを算出し濃度m molと全溶解熱との間に次の關係を見出した.
    mLs=-15083cal
    (iv) 不飽和溶液に對する實驗式より,各濃度の重水溶液につき,其の測定の平均温度に於ける微分稀釋熱φc(=-〓1)を計算し輕水の場合と比較した.
    (v) 7°C附近にて飽和する重水溶液の理論溶解熱〓sを計算した.
    (vi) 各濃度重水溶液中の10°Cに於ける鹽化加里の活度係數を算出し輕水の場合と比較した.
  • 火山地方天然水の重水濃度
    小穴 進也
    1939 年 60 巻 10 号 p. 995-998
    発行日: 1939年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    火山淺間山々麓に湧出する多くの温泉及び鑛泉に就いての柴田雄次教授,野口喜三雄氏,金子修氏の研究により岩漿水は地表水より多く輕い水素竝びに酸素の同位元素を含むことが推論せられた.著者は火山焼岳の頂上の噴氣孔から噴出する高温の水蒸氣を凝縮し,又焼岳山麓の温泉及び鑛泉より各種の水を採集し此等と東京市水道水との比重差を測定せる結果,温泉水には上述の柴田學説が當嵌まるが噴氣孔水蒸氣は豫想に反し非常に重いことを知つた.
  • 彌彦,角田附近の鑛泉のラドン含有量(第一報)
    岩崎 岩次
    1939 年 60 巻 10 号 p. 999-1004
    発行日: 1939年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    彌彦,角田附近の鑛泉約20箇所のラドン含有量を測定した結果,鑛泉のラドン含有量は湧出口附近の地質的環境によりて異り,火山岩の地方のもめには水成岩の地方のものより著しく多いことが認められる.
  • 噴氣孔水蒸氣の比重に對する降雨の影響(第一報)
    小穴 進也
    1939 年 60 巻 10 号 p. 1005-1007
    発行日: 1939年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
  • 秋田縣駒ケ嶽山麓温泉水の重水濃度
    小穴 進也
    1939 年 60 巻 10 号 p. 1008-1009
    発行日: 1939年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
  • 中村 倭文夫
    1939 年 60 巻 10 号 p. 1010-1019
    発行日: 1939年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    分子内部廻轉軸を有する化合物,即ち1-クロルプロパン, 1-ブロムプロパン, 1-ヨードプロパン, 1-ブロムブタン,エチレングリコル,エチレンクロルヒドリン,エチレンブロムヒドリン,エチレンヨードヒドリンの液體及び固體に於けるラマン・スペクトルを撮影し大體に於て固體のラマン線の數は液體の線の數の約半分になる事を見た.液體に於ては自由廻轉軸の爲に二種の形態が混じて居り,固體になると格子力の爲に一方の形態のみが殘存すると考へると上の事實が一應簡單に説明される. (但しエチレンヨードヒドリンの實驗結果は他のものと少し異つてゐた.)此の外1-ブロムプロパンとエチレンクロルヒドリンの溶液のラマン・スペクトルより溶媒分子の影響及び分子内原子相互間の作用を推論し,これより上記化合物の液體及び固體に於ける可能な形態を推定した.
  • アラメ(Eisenia bicyclis)よりの單離並に其の化學的性質に就て
    西澤 一俊
    1939 年 60 巻 10 号 p. 1020-1024
    発行日: 1939年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
  • イソバレラルデヒドの亞セレン酸による酸化に就て
    藤田 安二
    1939 年 60 巻 10 号 p. 1025-1030
    発行日: 1939年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    著者は植物精油は生體の生育に伴ふ蛋白の分解によつて生じるアミノ酸が分解してアルデヒドとなり,このアルデヒドの變化によつて生ずると言ふ考へを保持し,ロイシンの分解によつて生じるイソバレラルデヒドをテルペンの母體と考へるが,近來この考へを證明すべき文獻が二,三現はれた.
    この報文に於ては著者はテルペンの生成機構としてイソバレラルデヒドの生體内酸化の様式を明かにする爲めに酸化劑として亞セレン酸を撰び,メチルアルコール又はエチルアルコール溶液中に於けるイソバレラルデヒドの酸化を行つて,主としてIsobntyrylformaldehyde及びそのAcetalを得て,イソバレラルデヒドよりテルペンを生ずる爲に生體内に於て受くべき酸化還元に就て論求する.
  • 白金族錯鹽による接觸酸化作用に就て
    川久保 正一郎
    1939 年 60 巻 10 号 p. 1031-1036
    発行日: 1939年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    白金族元素のアムモニア錯鹽を研究の對象とした.結論としてこれらの錯鹽には接觸的酸化作用なく,その中のある者は却つて妨害作用を示す.
  • 淺尾 莊一郎
    1939 年 60 巻 10 号 p. 1037-1049
    発行日: 1939年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
feedback
Top