1940 年 61 巻 11 号 p. 1227-1232
グルコスルファターゼの精製法として新に(1)加里明礬沈澱法(2)アセトン分別沈澱法(3)硫酸安門分別沈澱法(4)諸法併用の精製法を提唱した. (1)は從來の方法と同程度の精製効果だが一層簡單である. (2)ではアセトン濃度30~50%に於て(3)では硫安の50~75%飽和に於て收量よく酵素の主要部分が沈澱し純度も相當高くなる.且つ分別沈澱法は共存するコンドロスルファターゼ,フェノルスルフアターゼとの間の混合割合を變更せしむる効果もある. (4)により最も純度の高いグルコスルファターゼが得られた.精製酵素に就てN, S, PO4, Fe等の分析を行つたが精製酵素との間に著しい差は認められなかつた.
精製法(4)の殘液を處理してグルコスルファターゼに對するコンドロスルファターゼの割合を増加せしめることが出來た.麹酸硫酸エステルはヂェステルとモノエステルとの2種類得られフェノルスルファターゼを含む通常のグルコスルファターゼ製品では何れもよく分解されるがモノエステルは前者を除いたグルコスルファターゼでは分解され難い.
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