日本化學會誌
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結晶の屈折率と構成分子の光學的性質との關係
仁田 勇
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1940 年 61 巻 4 号 p. 329-338

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抄録

分子性結晶の複屈折が分子の光學的異方性(分子複屈折)及び結晶格子の構造に關するパラメーター(構造複屈折)に支配せらるゝ事を主として正方體心格子の例に就き論じた.而して實例としてベンタエリスリトルC(CH2OH)4,ペンタエリスリトル四硝酸エステルC(CH2ONO2)4及びペンタエリスリトル四醋酸エステルC(CH2OCOCH3)4の結晶の屈折率ω及びε値から分子の主偏極率α〓,αη,α〓の値を求め,之等の値がその分子構造からよく説明せられ得ることを示した.尚ペンタエリスリトルに就きその複屈折の温度係敷を理論的に求め,之が實測値とよく合ふ事をも見た.最後によく知られたLorentz-Lorenz式の結晶に對する適用性に關し,又同じくLorentz-Lorenz式に基く分子性液體の分子屈折の意義に關し若干の考察を加へた.

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