日本化學會誌
Online ISSN : 2185-0909
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61 巻, 4 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 枝油に就て
    池田 鐵作, 内藤 力
    1940 年 61 巻 4 号 p. 303-310
    発行日: 1940年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
  • 總括
    岡 好良
    1940 年 61 巻 4 号 p. 311-320
    発行日: 1940年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
  • 界面化學的考察
    益田 苦良
    1940 年 61 巻 4 号 p. 321-328
    発行日: 1940年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    液状亞鉛アマルガムと硫酸溶液間の界面張力を滴重法を用ひて測定し,此の實驗結果によりて亞鉛アマルガムと酸性溶液との間に介在する水素薄膜に就き考察し,又亞鉛アマルガム表面の接觸作用に就き推論した.尚ほ亞鉛アマルガムの還元反應に對する光の影響に關する實驗結果を述べた.
  • 仁田 勇
    1940 年 61 巻 4 号 p. 329-338
    発行日: 1940年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    分子性結晶の複屈折が分子の光學的異方性(分子複屈折)及び結晶格子の構造に關するパラメーター(構造複屈折)に支配せらるゝ事を主として正方體心格子の例に就き論じた.而して實例としてベンタエリスリトルC(CH2OH)4,ペンタエリスリトル四硝酸エステルC(CH2ONO2)4及びペンタエリスリトル四醋酸エステルC(CH2OCOCH3)4の結晶の屈折率ω及びε値から分子の主偏極率α〓,αη,α〓の値を求め,之等の値がその分子構造からよく説明せられ得ることを示した.尚ペンタエリスリトルに就きその複屈折の温度係敷を理論的に求め,之が實測値とよく合ふ事をも見た.最後によく知られたLorentz-Lorenz式の結晶に對する適用性に關し,又同じくLorentz-Lorenz式に基く分子性液體の分子屈折の意義に關し若干の考察を加へた.
  • 二三の膠質學的性質に對する海水及び淡水の影響
    森田 徳羲, 千谷 利三
    1940 年 61 巻 4 号 p. 339-344
    発行日: 1940年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    大阪市築港測候所構内に於て試錐機によつて採取したる土質の化學的組成及び合鹽率を測定し,次に之等土質に對する海水及び淡水の影響を檢した.其の結果之等の土質中に含まれる水分は略海水に等しき含鹽率を示し,又新しく採取したる土質は海水中にては變化せざるも淡水中にては崩解すること,並びに海水中に於ける沈降容積は淡水中に於けるものに比して著しく大なる事等の現象を觀測し,其れに就いて觀察した.
  • 田中 泰夫
    1940 年 61 巻 4 号 p. 345-355
    発行日: 1940年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    1. CaOとTiO2との種々の混合比のものを1350°Cに10時間加熱燒成するに,反應は固體間に於て進行し, CaO:TiO2=1:1の場合は完全にCaO-TiO2となり, CaOの之より過剰なる場合はCaOは之に固溶體として含まれ, CaOの最大含有量は略々3CaO・2TiO2に至るが,之以外の化合物の生成は認められなかつた. TiO2も亦僅にCaO-TiO2に固溶體として入り得るものと見られる.
    2. 熔融物を急冷せる試料に就ても略々同様の結果を得た.
    3. CaO・TiO2 (Perowskite)の結晶は等軸晶系に屬し,その格子常數としては〓=7.615Åを得た.然し主要なる干渉線のみをとる時は,他のPerowskite型の結晶と同様にこの半分の値を與へて良い. Perowskite固溶體の格子常數はCaOの含量と共に少しく増大し,又この場合次第に等軸晶系より外れる傾向がある.
    4. 更に低温度に於てこの反應を行はしめてその經過を見るに, CaOとTiO2との固體反應にては先づCaO・TiO2を生じ,大部分のTiO2が反應せる後尚ほ過剰のCaOの存在する時はこのCaOがCaO・TiO2に固溶體として入るものと考へられる.
    5. CaO・TiO2生成の速度は兩成分の生成層への擴散に依つて支配されるものと考へられ,反應の活性化エネルギーは920°-1050°C間に於て30, 300calである.
    6. 生成せるチタン酸カルシウムは光に逢ひて淡紅色に着色する.この現象に就て二,三の觀察を行つた.
  • 田所 哲太郎, 高杉 直幹
    1940 年 61 巻 4 号 p. 356-358
    発行日: 1940年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    著者等はNucleotidの構造とAscorbin酸オキシダーゼ作用との關係を研究せんが爲め,酸素力の有無と吸牧スペクトルの變化に就き行へる實驗結果を要約するに下の如し. Pyridin-nucleotidのCo-zymase作用はDi-よリMononucleotidに變化するとき失はるるとせらるるもAscorbin酸オキシダーゼ作用は尚強力にして更に構造破壊せられ燐酸基の離脱せられて始めて該作用を失ふ. Guanyl酸の酵素作用も亦燐酸基と結合すべきBrucin鹽を作るか又は之を離脱してNucleosidとなるとき酵素力を失ふ.かかる場合の吸收スペクトルの變化を測定して下の如き結論に到達せり.
    (1) Pyridin-nnclcotidのDi-よりMononucleotidに變化するとき260mμにある吸收スペクトルは却つて明瞭となるも燐酸基を離脱しAscorbin酸オキシダーゼ作用の微弱となるに從て該吸收帶も亦減少することを認む.
    (2) Guany1酸にありても亦燐酸基の離脱により該酵素作用の微弱となるに從て26Oより255mμの位置に吸收帶を移行し前者消失の傾向あることを確認せり.
    (3) Pyridin-nucleotid及びGnanyl酸の吸收スペクトルとAscorbin酸オキシダーゼ作用を有せざるInosin酸のものと比較するに後者260mμ部の吸收帶甚だ微弱にして吸光係數にありて著しき差異を認む.從て此部吸収帶はNucleotidのリボース・燐酸エステルの結合位置による不安定性の大なるもの程顯著なりと推定す.
  • 大原 英一
    1940 年 61 巻 4 号 p. 359-366
    発行日: 1940年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    水蒸氣流に放電して得た氣體を液態酸素に浸したトラツプに通じる時には,此所に過酸化水素が生成せられることは既に前の諸報に於て述べた.此の放電により得たる氣體が放電管から此のトラツプに達するまでに次の如き諸操作を施して,トラツプに於ける過酸化水素の生成反應に對する夫々の影響を見た.
    1) 放電管とトラツプとの間の距離が大となれば過酸化水素の生成量は減じるが,その濃度は殆ど變らない.
    2) 放電管とトラツプとの間の距離を200cmにすれば,トラツプを-78°Cに保つても過酸化水素の生成を認めた.即ちトラツプまでの距離が此の程度の長さであればBates, Taylorの反應の如く室温に於ても過酸化水素の生成を認められ,即ちトラツプに達した氣體中には水素原子と酸素分子の存在することを示す.
    3) 放電された水蒸氣中の水分を除去すれば,過酸化水素の生成を減じ,永久氣體となる割合を増加する.
    4) トラップの前にニッケル線を置く時には,過酸化水素の生成量は非常に減じ,水及び永久氣體となる割合が増加する.
    5) 放電管とトラツプとの間にテレツスクガラス又は並ガラスの内挿管を置く時には,内挿管の兩端が鋭利な貝殼面を有する場合には,過酸化水素の生成量は減少し,永久氣體となつてトラップより排出されるものが増加する.此の際内挿管の放電管に近き方の先端は熱せられて温度が上昇する.
    6) 内挿管をクロム酸混液で處理する場合には,テレツクスガラス管なれば變化なく,並ガラス管なれぱ過酸化水素の生成量を減じ,永久氣體となり排出されるものが増加する.
    7) 放電管とトラツプとの中間の器壁を加熱する時には過酸化水素の生成量を減じ,永久氣體となるものを増加する.
    以上の結果より放電を受けた水蒸氣流が-183°Cのトラツプに於て過酸化水素を作る主體は水素原子と酸素分子なることを推論する.
  • 岩崎 岩次
    1940 年 61 巻 4 号 p. 367-373
    発行日: 1940年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    1) 昭和14年8月から9月上旬,滿洲國の温泉20箇所の泉温, pH及びラドン含有量を測定した.
    2) これ等の温泉のラドン含有量は餘り大ではなく(0.22~5.22マツへ),興城温泉の第一號泉が最大である.
    3) 泉温及びpHとラドン含有量との間には著しい關係は見られない.
    4) 興城温泉の泉温の季節に依る變化は高温のものと低温のものとでは甚しく異つてゐる.
  • 高岡 道夫
    1940 年 61 巻 4 号 p. 374-376
    発行日: 1940年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    RhaPontin (Rhaponticin, Ponticin)のアグルコンなるRhapontigenin(Pontigenin)の構造の3, 5, 3′-Trioxy-4′-methoxystilbenなる事を合成的に證明せり.
  • グルコスルファターゼ模型(第三報)
    江上 不二夫
    1940 年 61 巻 4 号 p. 377-379
    発行日: 1940年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    unsym.メチルフェニルヒドラヂンはヒドラヂン以上にグルコーゼ硫酸の分解を促進するが, Sym.アセチルフェニルヒドラヂンは全くその作用がない.從つてグルコスルフ,ターゼ模型としての作用を有する爲にはヒドラヂンの少くとも1個のアミノ基は遊離して居なければならないと思はれる.
    グルコスルファターゼ模型としてのヒドラヂンの特異性は必ずしもグルコスルファターゼの特異性と現在見做されて居るもの2)とは一致しない.即ち,バウシウボラより得られたグルコスルファターゼ製品はα-メチルグルコシド硫酸,蔗糖硫酸等をも分解するが,ヒドラヂンは,ヒドラヂン誘導體縮合生成物を作る様な還元糖等の硫酸エステルに限り分解する.
  • 松及び杉のEthanolysisに就て
    岩垂 孝一
    1940 年 61 巻 4 号 p. 380-382
    発行日: 1940年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    日本産松材及び杉材のEthanolysisを行ひHibbert等が他の木材より得たケトンと同一の物質を得,之のエチル化及び酸化によりそのものがα-Ethoxypropiovanilloneなることを確認した.
  • 田本 時雄
    1940 年 61 巻 4 号 p. 383-386
    発行日: 1940年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    α-ピネンとアニリンとの反應を封管中にて行ひ,觸媒として鹽酸アニリン,及びMgO, ZnO, Al2O3等を添加し,約40%収量にて縮合物を得たり.又縮合物の性状を檢討し,イソボルニール-アニリンと其擧動を異にするを認めたり.
  • 松本 靜子
    1940 年 61 巻 4 号 p. 387-394
    発行日: 1940年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    蔗糖の加水分解を紫外線吸收スペクトルより研究せる結果
    (1) 蔗糖水溶液は撰擇吸收を示さず, 1M濃度にてλ=217Åに端吸收を有するのみなるが,加水分解によりてλ=2770Åに撰擇吸收顯はる.これはγ-FructoseのCO基を有する構造不明の物質への變化に基くものと推定し,
    (2) 蔗糖加水分解の際吸收端が同一濃度の枸櫞酸の吸收端よりも長波長部へ移動するは, Furanose環の酸素が酸と特殊の親和力あるを示すものと説明せり.
  • Tetramethy-β-methyl-glucoside, Tetramethyl-β-methyl-fructoside及びTetramethyl-γ-methyl-fructosideの枸櫞酸による加水分解
    松本 靜子
    1940 年 61 巻 4 号 p. 395-399
    発行日: 1940年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    枸櫞酸によりて加水分解せられる重糖多糖は,γ-Fructoseを含有する事から糖分子内のPyranose環とFuranose環の反應性の相異を窺はんとして, Tetramethyl-β-methyl-glucoside, Tetramethyl-β-methyl-fructoside及びTetramethyl-γ-methyl-fructosideの枸櫞酸による加水分解を研究せる結果,
    (1) Tetramethyl-β-methyl-fructosideは42時間に31%加水分解せられTetramethyl-γ-methyl-fructosideは48時間に47%加水分解せられるが, Tetramethyl-β-methyl-glucosideは全く加水分解されず.
    (2) この反應性の相異を紫外線吸收スペクトルの變化より觀察したるにTetramethyl-γ-methyl-fructosideのみ同一濃度の枸櫞酸に比し吸收端稍〓長波長部へ移動するも,他のものは全く變化無き事を認めた.
  • 銅錯監に依る接觸的酸化作用に就て
    岩崎 友吉
    1940 年 61 巻 4 号 p. 400-404
    発行日: 1940年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
  • ZnS・CdS/Ag及びZnS・CdS/Cu螢光體の25°C及び-185°Cに於ける螢光スペクトルに就て
    上原 康夫
    1940 年 61 巻 4 号 p. 405-415
    発行日: 1940年
    公開日: 2009/12/22
    ジャーナル フリー
    (1) 0~40モル百分率のCdSを含むZnS・CdS/Ag及びZnS・CdS/Cu螢光體に於て紫外線(Hg3650A°)の刺戟に依て生ずる, -185°C及び25°Cに於ける螢光スペクトルのエネルギー分布を分光寫眞測光法に依て測定し,且つ之を部分螢光帶に分解した.
    (2) ZnS・CdS/Ag及びZnS・CdS/Cuの各部分螢光帶のエネルギー極大點の波長はCdSのモル百分率の一次函數になることを示した.
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