日本化學會誌
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天然油脂中の高度不飽和酸と低度不飽和酸とを簡易に分離する方法に就て(第一報)
上野 誠一松田 住雄
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1940 年 61 巻 8 号 p. 861-863

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抄録

魚油,海獸油等は多量の高度不飽和酸を含有することは周知の事實なリ.而して高度不飽和酸は其性質極めて不安定なるものにして變化し易く,從つて酸敗,惡臭等を生ずる原因となる故に之等高度不飽和酸を多量含有する魚油等は其儘にては諸種用途に利用し得ざるものなり.魚油等より高度不飽和酸を分離せんとする試みは既に多數の研究者により、報告せられ學問上の分離法としてリチウム鹽アセトン法及び曹達鹽アセトン法等を良好とす.高度不飽和酸は不安定にして長時日保存する時には酸化重合等の變化を起すものなるは既に明かなる事なれど著者等は以前より鰹油成分に關する研究1)を續行中偶然にも極めて興味ある現象の發生を認め得たるを以つて諸々の文獻を探究せるもかゝる現象に關しては何等の報告をも見出し得ざりしを以つてこれに關して行へる應用實驗をここに報告せんとするものなり.

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