日本化學會誌
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Ascorbin酸オキシターゼの化學的性質(第二十一報)
田所 哲太郎
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1941 年 62 巻 12 号 p. 1251-1254

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抄録

著者等1)はPoly-, Di-及びMononuclcotidは共にAscorbin酸オキシダーゼ作用を有する事を認め,且つ動植物より分離せる該酵素力ある蛋白質にもNuclcotid構造を證明す.又酵素力の原因として分子の不安定燐酸基を指適し, Poly-かMonoとなり強力となり,又AgとCuイオンにより作用促進せらる.其最適pH5.8にあるも之をpH7.2とせばDehydrogcnase作用顯はれMgにより促進せらる.然もMg効果は基質の糖アルコール又は有機酸かにより異る. Dehydrogenase作用はGnanyl酸の脱燐酸せるものVitamin B1及び其誘導體中Thiazol環を有するものにも認められ該環の變性により酵素力を異にすると共に基質によりMg効果を異にす.然も基質中-CHOの失はるるとき効果も失はれ却つて阻止の傾向を有す.又Nucleotid, Thiazol環にありてChlorophyll同様に二重結合に接する窒素と副原子價による結合とMgに推定せり.本報告には[1] Nucleotid型と非Nucleotid型即ちVitamin B1とは共に基質のマンノースよりマンノウロン酸と變化するによりDehydrogenase作用を顯著に減少することを認め. [2]兩型數種を集め基質のマンノースとグルコサミンとに對する作用上の差異を見るにNucleotid型のものは差異少く特にグルコサミンの強力なる場合あるも非Nucleotid型のものはマンノースにありて常に強力にしてグルコサミンにありて作用を減少する基質選擇傾向を認む. [3] Thiazol型分子中-CH2OH基のCOOHに變化するとき枸櫞酸マンノース強力なるも乳酸とガラクトースには弱し[4] Nucleotid型Thiazol型も共に-CH2OH基の存在は作用を強力ならしむ. [5] Nucleotid型燐酸基の所在は作用を強むるも糖類.酸類及びアルコール基質とするとき選擇性を認め難しと述ぶ.

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