1941 年 62 巻 6 号 p. 470-476
(1) 還元ニッケルによる異常附加反應が臭素原子を選傳體(Carrier)とする連鎖反應として説明される事をカテコールの妨碍作用を究める事によつて確めた.
(2) そして此の連鎖反應の開始が何れも還元ニッケルに於ける臭化水素及びエチレン化合物の吸着によつて誘導される事を朋にした.
(3) カテコールの妨碍作用は全くそれ自身の酸化還元による連鎖反應に歸因し,臭素原子がエチレン化合物に作用して基を生ずる反應連鎖を斷つ爲である.
(4) 反應時間と異常附加の關係を調べ,時間長き時は異常附灘の割合が減少する事を認めた.之にはニッケルの表面の損消及び臭化ニッケルの生成等がその因をなすものと考へられる.
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