1) Clusinsの熱擴散装置に關するDebyeの理論を檢討したる結果,温度差を附した器壁の間隔を適當にすれば,樂に分析し得る程度の濃度變化を生ぜしめ,而も定常状態到達時間を大いに短縮し得る事を推論した.
2) 器壁間隔1.50mm,温度差51°Cの熱擴散管を用ひ1N HCl, 1N H
2SO
4及1N NaCl水溶液の分離を行つた所,夫々3時間, 1.5時間及1時間位で熱擴散的定常状態に達せしめる事を得た.
3) 之の實驗結果は理論的に妥當なる値であり,又Debyeの理論に基づき算出した熱擴散恒數は間接法により求めた從來の實驗値と同程度となる事を示した.
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