1941 年 62 巻 8 号 p. 812-816
加熱されたる炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムの表面に於て起る氣態酸素と水蒸氣との間の接觸交換反應の機作を闡明する目的を以て,炭酸ナトリウムに對する水蒸氣の作用を研究した.其の結果によれば加熱せられたる炭酸ナトリウムの表面に水蒸氣を通ずれば炭酸瓦斯を發生し,又之と同時に炭酸ナトリウムと水蒸氣との間に酸素原子の交換反應の起ることを見た.よつて此の實驗の結果より考ふれば加熱されたる炭酸ナトリウム又はカリウムの表面に水蒸氣と酸素瓦斯との混合氣體を通ずれば,先づ炭酸鹽に水蒸氣が働きて水酸化物を生じ,此の水酸化物が觸媒となりて水蒸氣と酸素瓦斯との間に交換反應が行はるゝものとすることが出來る.
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