著者等は. Poly-, Di-及びMononucleotidは共にAscorbin酸オキシダーゼ作用を有することを認め動植物より分離せる該酵素力ある蛋白質にも亦Nucleotidの吸收スペクトルを證明せり.之等のAscorbin酸オキシダーゼ作用をpH5.8にありて有するものは又pH7.2にありてDehydrogenase作用を有する事を認む. Guanyl酸の該作用はAg Cuの存在にて阻止さるゝもMgイオンの存在によりて促進せらるゝことを認む.又Polynucleotidの果糖Dehydrogenase作用はMono-となりて著しく減少することを認めたり.本報告にありてはPoly-よりMono-に變化せし爲め受くるDehydrogenase作用の影響は酵素自體,基質,賦活及び阻止劑の變更により修正せらるゝや否やを試驗して次の結果を擧げたり.
(1) Poly-よりMono-に變化せし爲め受くるDehydrogenase作用の低下は糖及びアルコールを基質とする時顯著なるも枸櫞酸,乳酸及び焦性萄葡酸を基質とする時には兩者間に殆んど作用上の差異を認め難し.
(2) Vitamin B
1のDehydrogenase作用は糖及びアルコールを基質とするときMg
..により賦活せらるゝも枸櫞酸及び焦性萄葡酸にては其効果を見る能はざること酵素として酵母Nuclein酸, Mononucleotid及びPyridinnucleotidの使用と同一なり.
(3) Guanyl酸をN/10H
2SO
4液にて4時間98°Cに加水分解を行ひ燐酸基の60%以上を脱離せるものは顯著なるDehydrogenase作用を有しMg
..により賦活せらるが故に燐酸基は無關係にしてVitamin B
1の該作用は燐酸基なくして行はるゝことを證明すべし.
Vitaminn B
1の加水分解によるとき時間の延長に從つて愈々Dehydrogenase作用を減少せしむ.
Pyridinnucleotidの加水分解後再沈澱によりCuを除去せるものはDehydrogenase作用顯出すれどAscorbin酸オキシダーゼ作用は失はる.
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