日本化學會誌
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異種炭化水素間の接觸重水素交換反應(第一報)
エチレンとプロピレンの交換反應
小泉 正夫
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1942 年 63 巻 11 号 p. 1516-1521

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抄録

重エチレンとプロピレンはニッケル觸媒の存在の下に水素原子の交換反應を行ふ.この交換反應の程度は常温に於て十數日放置せる後に於てプロピレン分子中の約2個の水素原子が交換に與つたと考ふべき程度である.この反應の機作については(1)直接オレフィン分子相互間に交換反應が行はれるとするか(直接機作) (2)觸媒表面上に僅に殘存する水素原子を媒介とするか(會合機作) (3)オレフィンの解離によるとするか(解離機作)少くとも以上三つの可能な機作が考へられる.但し(2)の場合であるとすれば,殘留水素原子はオレフィンを還元し得ない樣な特殊な状態にあるものとせねばならない.

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