日本化學會誌

植物精油の生機發生學的研究(第十報)

ツヨンのクロラニルによる脱水素

藤田安二

1942 年 63 巻 11 号 p. 1441-1442
発行日: 1942/11/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.63.1441

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

キノン類がヒドロキノンとなり,同時に共存する他の化合物を脱水素酸化する反應は生體内反應として極めて興味ある反應である.著者はツヨンをキシロール溶液にてクロラニルと加熱したが,ツヨンは容易に脱水素されてカルバクロールを生ずる事が分つた.然るに樟腦はこの條件では全く變化しない.

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (147K)
植物精油の生機發生學的研究(第十一報)

リモネンのクロラニルによる脱水素

藤田安二, 大橋三郎

1942 年 63 巻 11 号 p. 1443-1445
発行日: 1942/11/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.63.1443

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

d-リモネンをクロラニルにより脱水素すれば約15%の收率にてp-サイメンを得る.

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (201K)
オルトニトロトルオール並びにオルトニトロエチルベンゾールに對する醋酸第二水銀の作用に就て

石渡三郎, 上尾庄次郎

1942 年 63 巻 11 号 p. 1446-1451
発行日: 1942/11/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.63.1446

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

2-ニトロトルオール又は2-ニトロエチルベンゾールに醋酸第二水銀を作用せしめる時は3, 4若しくは6の位置に置換せる少くとも3種の化合體が生成する事が明になつた. 2-ニトロトルオールに於てはこの方面の研究は既に二つ知られて居るがそれは互に矛盾せるものなるを以て著者等はここに改めて追試を行ひ一部正誤及び増補を行つたのである.醋酸水銀による置換反應が一般の置換法則に從はないのは興味ある事實である.

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (586K)
數種のエチルベンゾール誘導體に就て

上尾庄次郎

1942 年 63 巻 11 号 p. 1452-1456
発行日: 1942/11/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.63.1452

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

文獻の缺を補はんが為,ここにエチルベンゾールの2, 3の新誘導體に就て報告する.本合成の目的は各種のブロムアミノエチルベンゾールを得るにあつたが,既に報告せるを加ふれば本報を以て理諭上考へ得る. 10種の異性體の中8種を合成し,各をアセチル誘導體として特性づける事が出來たのである.

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (406K)
デヒドローゲナーゼ酵素模型としてのチアゾル誘導體に關する研究(第一報)

田所哲太郎, 齋藤恒行, 高杉直幹

1942 年 63 巻 11 号 p. 1457-1459
発行日: 1942/11/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.63.1457

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

著者等は曩に生體内に發見さるゝが故にヌクレオチード,チアゾル型9種デヒドロゲナーゼとして酵母,胸腺ヌクレイン酸,コチマーゼ,グアニル酸,グアノシンの5種とヴィタミンB₁, 4-メチル-5-β-ヒドロオキシエチルチアゾル, 4-メチルチアゾル-5-カルボン酸, 4-メチル5-β-クロロエチルチアゾルの4種に就きて述べたり.而も米胚芽中よりデヒドロゲナーゼ酵素を分離しヂヌクレォチードなることを證明せり.然るに4-メチルチアゾル-5-カルボン酸及び4-メチル-5-β-クロロエチル・チアゾルの兩者は生體内分布明かならず,合成チアゾル誘導體として4-メチル-5-β-ヒドロオキシエチルチアゾルを得たれば共にデヒドロゲナーゼ酵素模型としてその作用を研究し結果を報告すべし.
(1) 合成4-メチル-5-β-ヒドロオキシエチルチアゾルは僅に水溶解して251mμに吸収帯を有しpH7.2にて強き枸櫞酸デヒドロゲナーゼ作用あり.
(2) 該酵素模型の枸櫞酸及び焦性葡萄酸デヒドロゲナーゼ作用はACL₃, CaCl₂及びMgCl₂のm/30000液にてpH8.0にて最も賦活効果高められ且つグリセリン,フラクトースにても作用を認む.
(3) 該酵素模型の沃素吸収せるものは焦性葡萄酸デヒドロゲナーゼ作用減退するが故にチアゾル核の二重結合に關係すべし.

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (216K)
紅檜根油成分研究(第一報)

桂重雄

1942 年 63 巻 11 号 p. 1460-1464
発行日: 1942/11/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.63.1460

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

本報に於ては紅檜根油のセスキテルペン以上の成分を研究し,充分蒸溜によつて精製を繰返し,次の成分を分離せり.
1) セスキテルペン部,沸點130°/10mm, α_??_+24.50, d_??_0.9140, n1.5050なる恒藪を有する1成分.
2) セスキテルペンアルコール部.沸點137°/3mm, α_??_+8.96, d_??_0.9977, n_??_1.5220なる恒數を有する第1級アルコール,及び沸點151°/10mm, α_??_-4.12, d_??_0.9560, n_??_1.5033;沸點153°/10mm, α_??_+7.58, d_??_0.9681, n_??_1.5033(結晶化す)なる恒數を有する2種の第三級アルコールの3成分.
3) セスキテルペンヂオール.融點129～130°,沸點125～130°/0.01mm及びヂテルペン:沸點167～168°/5mm, α_??_-23.14, d_??_0.9625, n_??_1.5170とを得たり.

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (291K)
紅檜根油成分研究(第二報)

桂重雄

1942 年 63 巻 11 号 p. 1465-1469
発行日: 1942/11/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.63.1465

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

本報告に於ては,紅檜根油成分中第一級セスキテルペンアルコールに就きその構造を研究した結果, (I)式を有すべきを確認し,このものにセスキベニヒオールなる名稱を與へたり.

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (291K)
紅檜根油成分研究(第三報)

桂重雄

1942 年 63 巻 11 号 p. 1470-1476
発行日: 1942/11/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.63.1470

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

本報に於てはセスキテルペン及び第三級セスキテルペンアルコールに就いて述べた.
1) セスキテルペン(I)なる構造を有することを究め,これにセスキベニヘンと命名せり.
2) 第三報セスキテルペンアルコールには恐らく2種ありてーはオイデスモールなる事を確定し,他は沸點151°/10mm, α²⁹_D-4.12, d²⁹₄0.9560, n²⁹_D1.5033なる恒數を有する液體なるも,その酸化生成物がオイデスモール酸化生成物と一致する點より見て,恐らくオイデスモールを主成分とする不純なる溜分ならんと思はるも,この點尚不明なり.

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (433K)
紅檜根油成分研究(第四報)

桂重雄

1942 年 63 巻 11 号 p. 1477-1479
発行日: 1942/11/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.63.1477

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

本報告に於ては紅檜根油セスキテルペンヂオール及びヂテルペンに就いて述べた.
1) セステルペンヂオールは(I)なる構造を有する事を究め,この新物質に對しセスキベニヒヂオールなる名稱を與へたり.
2) ヂテルペン沸點167～168°/5mm, α³²_D(1dm)-23.14, d³²₄0.9625, n³²_D1.5170なる恒數を有するものなるが,その量僅少にして構造不明なり.

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (197K)
紅檜根油成分研究(第五報)

桂重雄

1942 年 63 巻 11 号 p. 1480-1482
発行日: 1942/11/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.63.1480

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

本報告に於ては,紅檜根油酸性成分につき研究, (I)なる構造を有するぺニヒ酸(ヂヒドロミルテン酸)及びミルテン酸を取出し,又フェノール成分としては融點91～92°のフェテールウレタンを與へる物質を取出せるもその構造は未決定なり.尚フェノール成分中より僅かながらヒノキチオールと命名せる1種の1, 2-ヂケトン(II)を分離せり.このものは容易に赤色の鐵錯鹽を作る.

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (173K)
紅檜根油成分研究(第六報)タイワンヒノキ並びにベニヒ精油成分の比較

桂重雄

1942 年 63 巻 11 号 p. 1483-1485
発行日: 1942/11/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.63.1483

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

本報告に於てはタイワンヒノキ並びにベニヒ精油成分を葉部,材部,根部につき夫々比較した見た.

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (173K)
簡單な瓦斯天秤の製作

小泉正夫

1942 年 63 巻 11 号 p. 1486-1490
発行日: 1942/11/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.63.1486

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

非常に簡單な瓦斯天秤を製作し,空氣を標準氣體として,エチレンの密度を±0.1%の精密度で測定することが出來た.この天秤によつて氣態重水素化合物の同位元素分析を行ふことが出來る.

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (454K)
電子衝撃によるアンモニヤの分解(I)

佐々木申二, 太田芳雄

1942 年 63 巻 11 号 p. 1491-1495
発行日: 1942/11/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.63.1491

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

熱陰極と作用し易い氣體の電子衝撃による反應を檢べる爲に特に陰極部と反應室とを隔離して別々のポンプにて排氣し,電子による反應のみを研究する方法を考案した.而して反應生成物を反應室から取出し,鋭敏な壓力計の中へ汲込む事により充分敏感な檢出装置を作り得た.

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (413K)
電子衝撃によるアンモニヤの分解(II)

佐々木申二, 太田芳雄

1942 年 63 巻 11 号 p. 1496-1499
発行日: 1942/11/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.63.1496

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

前報の如き裝置を用ひ低速度電子によるアンモニヤの分解を測定せる所,氣相に於ても吸着相に於ても6.0±1.0eVの電子により分解する事を見出した.このエネルギーは光による解離前効果の時と略等しい.次に電子1個に對するアンモニヤの分解率を各電子エネルギーについて求め, 10eVでは約10^-3程度である事を見出した.又ニッケル面に對するアンモニヤの吸着量及び吸着相に電子の當つた時の分解率をも計算した.

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (348K)
正オクタン,正ドデカン,正セタンの固體のラマン効果

岡崎寛厚

1942 年 63 巻 11 号 p. 1500-1502
発行日: 1942/11/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.63.1500

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

固體正オクタン,正ドデカン,正セタンのラマン効果を測定し,液體のそれと¹⁾比較する事によつて次の結果を得た.
(1) 之等の正パラフィンは液體では種々の廻轉異性體の混合物であるが,固體ではトランス形の廻轉異性體のみとなる.
(2) 正セタンの固體のラマン・スペクトル中に液體のラマン・スペクトルには存在しないラマン線を見出だし,正セタンは液體ではトランス形の廻轉異性體が存在しないのではないかと考へた.

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (261K)
炭化水素及び其の置換體の分子論的研究(第五報)

1, 2-ニクロルエタンの禁制ラマン線の液體のスペクトルに於ける出現に就て

水島三一郎, 森野米三, 島内武彦

1942 年 63 巻 11 号 p. 1503-1508
発行日: 1942/11/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.63.1503

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

1, 2-ニクロルエタン液體のラマン・スペクトルに就て更に精密なる測定を行つた結果新に709cm^-1及び223cm^-1なる波數の線の存在を確め得た.而して種々の考察の結果,之等をトランス形分子の中心に逆對稱の振動に對應させるのが至當のやうに思はれる.選擇律によれば,之等の振動はラマン効果に現れ得ないのであるが,液體に於ける分子の相互作用等の原因によつて,弱い線として出現したのである.此の中223cm^-1の線はエントロピーの計算に際して,極めて重要なる役割を演ずるものである.尚此の研究によつて1, 2-ニクロルエタン分子の骨格振動のすべての波數を實測し得たから,それ等を永年方程式より求め得る計算値と比較して論じた.

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (476K)
炭化水素及び其の置換體の分子論的研究(第六報)

1, 2-二クロルエタンのエントロピー

森野米三, 渡邊格, 水島三一郎

1942 年 63 巻 11 号 p. 1509-1511
発行日: 1942/11/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.63.1509

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

前報までの研究の結果決定し得た分子恒數(慣性能率,基準振動數)を用ひて, 1, 2-二クロルエタンのエントロピーを統計力學的に算出し,第三法則に基いて得られるエントロピーの値と比較した.その結果よりC-C結合を軸とする捩れの振動の波數を決定したところ極めて妥當な値が得られた.

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (265K)
メタンの脱水素反應(第二報)

メンタン-炭酸瓦斯反應

工樂英司

1942 年 63 巻 11 号 p. 1512-1515
発行日: 1942/11/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.63.1512

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

一定の結晶水を有するアムモニウム鐵クロメイト錯鹽より誘導せる鐵クロマイ觸媒がメタンと炭酸瓦斯が一酸化炭素,水素に分解する反應に於て極めて優秀なる接觸能を呈するを明かにせり.

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (289K)
異種炭化水素間の接觸重水素交換反應(第一報)

エチレンとプロピレンの交換反應

小泉正夫

1942 年 63 巻 11 号 p. 1516-1521
発行日: 1942/11/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.63.1516

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

重エチレンとプロピレンはニッケル觸媒の存在の下に水素原子の交換反應を行ふ.この交換反應の程度は常温に於て十數日放置せる後に於てプロピレン分子中の約2個の水素原子が交換に與つたと考ふべき程度である.この反應の機作については(1)直接オレフィン分子相互間に交換反應が行はれるとするか(直接機作) (2)觸媒表面上に僅に殘存する水素原子を媒介とするか(會合機作) (3)オレフィンの解離によるとするか(解離機作)少くとも以上三つの可能な機作が考へられる.但し(2)の場合であるとすれば,殘留水素原子はオレフィンを還元し得ない樣な特殊な状態にあるものとせねばならない.

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (626K)
3, 6-アンヒドロ-ガラクトースの研究(第一報)

4-ヒドロオキシメチル-フルフラールの生成に就て

荒木長次, 新井清

1942 年 63 巻 11 号 p. 1522-1526
発行日: 1942/11/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.63.1522

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

1) α-メチル-3, 6-アンヒドロ-d-ガラクトシッドを封管中にて蓚酸と油浴(136～140°)中に3時間加熱する時は4-ヒドロオキシメチル-フルフラール(16%),レブリン酸(13.5%),蟻酸(14.9%)及びフーマス質(29.5%)を生成し,その擧動はd-フラクトースを同樣に處理した場合に甚だ類似してゐる.從つて3, 6-アンヒドロ-ガラクトースがSeliwanoffのケトースの呈色反應を顯著に示すのはd-フラクトースと同様に4-ヒドロオキシメチルーフルフラールの生成に基因するものとする.
2) α-メチル-3, 6-アンヒドロ-d-ガラクトシッドを比重1.15の硝酸にて酸化する時多量の蓚酸(39.0%)を生成する.この擧動はd-ガラクトース(蓚酸の生成量18.3%)よりもd-フラクトース(蓚酸の生成量51.9%)に類似してゐる.

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (392K)
蝦肉エキスの成分に就て(第二報)

鹽基性物質の分離

三井早苗

1942 年 63 巻 11 号 p. 1527-1532
発行日: 1942/11/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.63.1527

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

芝蝦肉エキスの呈味成分に就て主として非鹽基性物質の分離を行つた處,イノシン酸, dl-アラニン及グリシンを得た事は第一報¹⁾に述べた.著者は續いて5月下旬捕獲せる材料より鹽基性物質をフラヴィアン酸鹽として分離したが,グリシン0.13%の外に美味成分の一種と考へられるベタイン0.29%トリメチルアミンオキシド0.02%,ホマリン0.05%を得.その他にl-(+)-アルギニン0.26%及ホモアルギニン様物質0.05% を分離したが,後者は材料僅少の爲確定するに至らなかつた.

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (474K)
二チオン酸及び亞硫酸の定量

吉田幸人

1942 年 63 巻 11 号 p. 1533-1539
発行日: 1942/11/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.63.1533

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

二チオン酸の定量は強酸の存在に於いて封管中にて加熱分解せしめ生成せる亞硫酸を過剩の沃度及びチオ硫酸ソーダにて滴定するか¹⁾又は封管なしに硫酸性(2_N) (補水しつゝ)にて過剩の重クロム酸の存在に於いて1時間煮沸,之を分解せしめ殘存せる重クロム酸を逆滴定する事により二チオン酸を定量すと報告せられたり²⁾後者は實驗例少く安心して此方法を使用し難し,依つて著者は重クロム酸或は沃度酸による(臭素酸は不可, 20_N硫酸酸性にて全部なくなる)二チオン酸の定量を試み定量可能なる條件を定めたり.
然して亞硫酸と種々の酸化劑との反應を實驗せる際多少の差こそあれ常に二チオン酸の存在を證し得たり.依つて亞硫酸を沃度にて滴定する従來の方法に於いては常に二チオン酸の生成する事實を認めたるにより,此沃度による滴定のみにては亞硫酸の定量は完全とは云ひ難く,此處に生成せる二チオン酸を尚更に定量する事により亞硫酸を完全に定量し得るを知り,重クロム酸による亞硫酸の簡單なる定量法を此處に報告す.

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (565K)
臺灣産植物種子油の研究(第十九報)

はすのはぎり種子油の成分

畑忠太

1942 年 63 巻 11 号 p. 1540-1544
発行日: 1942/11/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.63.1540

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

はすのはぎり(Hernandia ovigera, Linn.,或はH. peltata, Meissn)の種子をエーテル抽出して得らるる油は約2%柱状結晶の物質を伴ひこの結晶物質はC₂₂H₂₂O₇なる分子式を有するラクトン體にして之を檢索したる結果,はからずも野口,河南兩氏¹⁾がシヤク(Anthricus sylvestris, Hoffm.)の風乾根より抽出しアンスリシンと名づけられたる1-(3′, 4′, 5′-Trimethoxyphenyl)-3-hydroxy-methyl-1, 2, 3, 4-tetrahydronaphtalin-2-carbonsäurelactonなることを知り油の方は沃素價126.83を有する半乾性油にしてオレイン,リノール,ステアリン,パルミチンの四成分酸よりなることを證明せり.

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (430K)
アミノ酸の研究(第二報)

r-キヌレニンの合成

目武雄

1942 年 63 巻 11 号 p. 1545-1550
発行日: 1942/11/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.63.1545

ジャーナルフリー

PDF形式でダウンロード (481K)
メタンと水蒸氣との化學反應にニッケル-マグネシウムの接觸作用

小松茂, 工樂英司

1942 年 63 巻 11 号 p. 1551-1554
発行日: 1942/11/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.63.1551

ジャーナルフリー

抄録を表示する抄録を非表示にする

メタンと水蒸氣との化學反應に於けるニッケルーマグネシウムの接觸作用を研究し,本觸媒の製法によりて接觸能に差異あるを認め,硝酸ニッケルと硝酸マグネシウムとの混合水溶液を輕石に吸着せしめて〓燒し之を還元せるものは極めて優秀なる接觸分解作用を呈し,且つニッケルとマグネシウムとの混合比9:1なるとき最も良好なるを見たり.

抄録全体を表示

PDF形式でダウンロード (307K)
樟腦副産油の利用研究(第十六報)

ヂイソカビベトール・ヂメチルエーテル(I)

船久保英一, 川崎元一, 橋本寛兒

1942 年 63 巻 11 号 p. 1555-1557
発行日: 1942/11/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.63.1555

ジャーナルフリー

PDF形式でダウンロード (303K)
樟脳副産油の利用研究(第十七報)

ヂイソオイゲノール(I)

船久保英一, 吉川彰一

1942 年 63 巻 11 号 p. 1558-1561
発行日: 1942/11/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.63.1558

ジャーナルフリー

PDF形式でダウンロード (293K)

J-STAGEへの登録はこちら（無料）