日本化學會誌
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深海底土の化學的研究(其十一)
深海底土の化學組成(第四報)
濱口 博
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1942 年 63 巻 12 号 p. 1695-1699

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抄録

既報に引續き5個のGlobigerina Oozeについてその化學分析結果を報告した.而して大體次の如き結果を得た.
1) Globigerina Oozeの炭酸カルシウムを除外した殘部の組成はRed Clayの組成とほぼ一致する.即ち筆者の分析したGlobigerina Oozeに關する限りに於ては,これ等が總てRed ClayがGlobigerinaの殘骸によつて稀釋されたものである.
2) 炭酸カルシウムを除外し且つ乾燥試料に換算せるGlobigerina Oozeの組成と,同じく乾燥試料に換算せるRed Clayの平均組成とを比較すればMno2, P2O5, Fe2O3, TiO2の4成分は一二の例外を除き前者に於ては後者に於けるよりも含有量が大である.依つて之等の4元素は海洋生物の生活現象に密接な關係を有するものと考へられる.
3) Globigerina Oozeを鹽酸(1:1)で處理した結果,炭酸カルシウムのみならずマグネシウム,マンガン,鐵の大部分及びシリカ,アルミナ,チタンの一部も又可溶であることを知つた.
4) Globigerina Oozeの鑛物的組成はRed Clayのそれとよく一致する.

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