1942 年 63 巻 4 号 p. 358-363
(1) モノ・スチレン合成の中間體たるα-及びβ-兩フェニル・エチル・アルコールの脱水の難易を調査するため,先ず氣相脱水を行つた.その結果,前者は後者よりも遙に容易に脱水せられることが判明したが,兩者共スチレン・モノマーの生成は貧弱であつて,且重合物の副生は避け難かつた.
(2) 次に兩アルコールに就て苛性加里による液相脱水を行ひ,その脱水の難易は前の結果と正に逆であることを証明した.この場合は重合物の副生は殆んど問題とするに足りなかつた.
(3) 純粹なスチレンはクロル化合物よりも寧ろ之等のアルコールから合成し易いことを指摘し,兩アルコールの脱水法としては, α-アルコールには氣相法を, βには苛性加里による液相法を採用するのを適當と認めた.
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