日本化學會誌
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間歇泉の地球化學的研究(第一報)
阿蘇咆哮地獄間歇泉の研究(其一)
岩崎 岩次家吉 實
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1943 年 64 巻 10 号 p. 1345-1350

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抄録

昭和17年の春,阿蘇火山山腹の湯の谷温泉の咆哮地獄間歇泉に就て.その週期的噴出現象を地球化學的に研究した.
1) 咆哮地獄は噴出時に於ては泉温約80°に達するpH約3.5位の温泉池を噴出口上に有する間歇泉である.これに就て噴出時は勿論噴出休止の時期に於けるものに就ても,即ち噴出の全週期にわたつて泉温, pH及び水位を測定し,その噴出現象の性質を觀測した.
2) 咆哮地獄の噴出週期は普通45~50分位で,約80°の温泉を多量の温泉ガスとともに噴出するのであるが,水位を約10cm上昇させると週期は約73分位に長くなり,この時噴出時の泉温は約75°に低下してゐる.
3) 何れの噴出週期に於ても,泉温の最低點と水位の最低點とでは時間的に差があり,水位の最低の方が常に10~20分位先に出現する.

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