日本化學會誌
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硫化水素を使用せざる定性分析法に關する研究(第一報)
重炭酸鹽法
木羽 敏泰
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1943 年 64 巻 10 号 p. 1353-1359

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抄録

硫化水素を使用せざる陽イオンの系統的定性分析法に關する研究を開始し,種々提出されたる在來法を定量的考察を以て吟味し,改良を加へてその適用範圍を稀有元素を含む場合にも擴張し又新方法を加味して合理化し該分析法の進歩に資せんとす.第一報として重炭酸鹽法に關する檢討結果を報告す.
1) 適用範圍:普通元素. 2) 分離途上酸性アルカリ性と交互に溶液の性質を變ずるため液量逐次増加し取扱上不便あり. 3) 蒸發,濃縮等の操作多く所要時間比較的大なり. 4) 各イオン特にPb..Ca.., Fe..., Mn.., Co.., Hg.., Bi...等が數箇所に分散檢出さるるは不適當なり. 5) 燐酸鹽,弗化物,有機酸の存在は妨害なし. 6) 以上を改良せる分析表を以て檢討すると同時に各イオンが檢出箇所に於て檢出され得る量を實驗的に示せり.

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