1943 年 64 巻 3 号 p. 309-311
志賀赤痢菌菌體外毒素の精製試料につき化學的研究をなした結果,次の諸點を明かにした. (1) 同毒素は核蛋白質であり,その核酸部分と蛋白質部分との結合は極めて強固である. (2) その水溶液は2600Åに吸收帯を有す. (3) それはFeulgenのヌクレアール反應, Discheのヂフェニルアミン反應を示し, 2-デスオキシリボーゼの存在を想像せしめる. (4) 蛋白質部のアルギニン含量は普通の蛋白質と同程度であり,プロタミン,ヒストンの如きものではない.チロジンの存在は殆ど認められない.
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