1943 年 64 巻 4 号 p. 423-430
水酸化亞鉛が濃アンモニヤ溶液に溶解し,〔Zn(NH3)4〕++なる錯イオンを形成する事實に基き,かかる錯化合物より出發せる亞鉛觸媒のメタノール分解能を比較研究せる結果,一般の沈澱法によるものに比し著しく活性大なることを認めた.此の觸媒についてX線廻折像をとつて考察した結果,活性能増大の原因は〔Zn(NH3)4〕++の如き大なる錯イオンより4分子のNH3が飛び出して破壊生成せるものものなるため,結晶粒子小さく,從つて,各微結晶の結晶格子に或る程度の不完全さを増し,結晶の尖端,稜等に存在する不飽和な結合状態にある原子を増加してゐることにあることを認めた.
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