1943 年 64 巻 6 号 p. 824-829
メタクリルメチルエスチルの熱重合に於ける誘導期を屈折率の變化より測定し(1)先づその長さIと反應温度Tとの間にArrheniusの式
log I=A/T-B(A, B=恒數)
の成立つことを見た.(2)次に誘導期に對する加熱効果を觀察したところ加熱を一旦中斷してもIの長さの合計は一定であつた.(3)また過酸化ベンゾイルとヒドロキノンを加へた場合の誘導期の觀察より誘導期の原因をヒドロキノンの量に換算するとエステル1molに對し10-4~10-5mol程度と推定された.これらの實驗で誘導期に定量的性質が見られること及び誘導期が反應固有のものか或は不純物に基因するものかを決定することの至難なことがわかつた.
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