日本化學會誌

分子化學的過程に於ける方位効果(第七報)

電子衝撃に依る水素分子のイオン化並に之に伴ふ分解に於ける方位効果の測定(4)

中尾常世

1943 年 64 巻 6 号 p. 781-787
発行日: 1943/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.781

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分子化學的過程に於る方位効果(第八報)

電子衝撃に依る水素分子の1³Σ状態への勵起に於て放出せらるる電子の角分布の計算に就て

中尾常世

1943 年 64 巻 6 号 p. 788-793
発行日: 1943/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.788

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オレフィンの接觸重合反應の研究(第三報)

反應速度論的考察

小泉正夫, 多賀咸熈

1943 年 64 巻 6 号 p. 794-803
発行日: 1943/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.794

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エチレン,プロピレン等を密閉容器中で酸化ニッケル珪藻土,或は還元ニッケル珪藻土によつて重合せしめし場合の反應速度を,壓の減少によつて追跡し,得られた壓時間曲線を反應速度論的に解析した.其の結果として反應の初期に於ては,オレフィン分子が觸媒表面上の活性點に到着する過程が律速的であり,爾餘の部に於ては,オレフィンが觸媒の内部へ滲透擴散して行く過程が,律速的なりとして,一應意義づけることが出來た.

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オレフィン無水鹽化アルミニウムに依る重合の研究(第四報)

無水鹽化アルミニウムに依るオレフィンの活性化並に重合機構に就て(其の一)

淺岡忠知

1943 年 64 巻 6 号 p. 804-808
発行日: 1943/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.804

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第三報*に記載の錯化合物II (飴状物)より鹽化アルキルが分離し,この物と錯化合物IIIとの反應に依りて生ずる二種のオレフィン活性體が結合して重合物を生ずる事,從つて重合は此の場合階段式反應なる事を推斷した.尚此の機構をIpatieff¹⁾のエチレンの鹽化アルミニウム重合機構に對する説と比較した.又オレフィンの鹽化アルミニウム重合に依りて飽和炭化水素並びに環状炭化水素の生成する事の説明にも言及した.

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硝酸鹽の新比色分析法

松居秀夫

1943 年 64 巻 6 号 p. 809-810
発行日: 1943/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.809

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硝酸鹽を亞鉛末によつて亞硝酸鹽に還元し,この亞硝酸鹽の比色分析による微量硝酸鹽の定量法を考案した。普通の陸水中に含有せられる程度の他の成分は本法の妨害とならない。

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熔融せるKNO₃-AgNO₃系のLudwig-Soret効果

廣田鋼藏, 松永勇, 田中泰夫

1943 年 64 巻 6 号 p. 811-816
発行日: 1943/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.811

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硝酸銀と硝酸カリウムとの熔融混合物に平均温度400°Cにて40～100°の温度差を局所的に生ぜしめたるに,低温部に硝酸銀が濃縮せる事を認め,之がLudwig-Soret効果に基く事を確認した.而してこの際に濃縮の程度が熔融金屬系等の場合に比しかなり大なる事實を指摘した.

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正誤

1943 年 64 巻 6 号 p. 816
発行日: 1943年
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.6_816

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温泉の化學的研究(第十一報)

北海道定山溪温泉(其二)

太秦康光, 西村雅吉

1943 年 64 巻 6 号 p. 817-823
発行日: 1943/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.817

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北海道定山溪所在の既報湧泉とは別の一湧泉について總分析を行ひ,又同地方所在の若干の湧泉の數種の成分の定量を試み,それ等の成分の時間的並びに地域的變化につき觀察した.尚既報の湧泉についても引續き季節的變化の状況を調査し,マンガンが鹽素,泉温と逆の消長關係にあることを認めた.

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正誤

1943 年 64 巻 6 号 p. 823
発行日: 1943年
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.6_823

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メタクリル樹脂の研究(第一報)

メタクリルメチルエステルの熱重合に於る誘導期に就て

鶴田四郎, 小林清三郎

1943 年 64 巻 6 号 p. 824-829
発行日: 1943/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.824

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メタクリルメチルエスチルの熱重合に於ける誘導期を屈折率の變化より測定し(1)先づその長さIと反應温度Tとの間にArrheniusの式
log I=A/T-B(A, B=恒數)
の成立つことを見た.(2)次に誘導期に對する加熱効果を觀察したところ加熱を一旦中斷してもIの長さの合計は一定であつた.(3)また過酸化ベンゾイルとヒドロキノンを加へた場合の誘導期の觀察より誘導期の原因をヒドロキノンの量に換算するとエステル1molに對し10^-4～10^-5mol程度と推定された.これらの實驗で誘導期に定量的性質が見られること及び誘導期が反應固有のものか或は不純物に基因するものかを決定することの至難なことがわかつた.

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炭化水素及び其の置換體の分子論的研究(第七報)

電子廻折による1, 2-二クロルエタンの廻轉異性體の研究

山口成人, 森野米三, 渡邊格, 水島三一郎

1943 年 64 巻 6 号 p. 830-834
発行日: 1943/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.830

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1, 2-二クロルエタンの氣體に對して電子廻折の實測を行つた.其の結果はトランス形異性體80%,中間形異性體20%の割合の混合物に對して算出された理論散射曲線とよく一致した.從つて廻轉異性體に關する我々の見解は此の方面からも亦實證され,殆ど疑を挾む餘地のないものとなつた.

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緑葉カタラーゼの研究(第一報)

冬季に於る緑葉カタラーゼの作用力

林喬, 樫本克彦, 明渡千鶴子

1943 年 64 巻 6 号 p. 835-839
発行日: 1943/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.835

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冬期に於る常緑樹及び蔬菜類の緑葉カタラーゼの作用力を一定條件下で比較するに,冬眠中の常緑樹葉に比し,花期にある常緑樹及び發育中の蔬菜類は遙かに高度のカタラーゼ力を示した.

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正誤,訂正

1943 年 64 巻 6 号 p. 839a
発行日: 1943年
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.6_839a

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正誤,訂正

1943 年 64 巻 6 号 p. 839b
発行日: 1943年
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.6_839b

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正誤,訂正

1943 年 64 巻 6 号 p. 839c
発行日: 1943年
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.6_839c

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接觸分析(第四報)

プルフリッヒの光度計に依る銀の微量定量

後藤秀弘, 鹽川孝信

1943 年 64 巻 6 号 p. 840-844
発行日: 1943/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.840

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(1) Ce^....が鹽酸により還元される場合Agが接觸作用をなすことを利用して微量Agの定量を試みた.
(2) 鹽酸の濃度とCe^....の還元される速さとの關係を求め鹽酸が稀薄な時はAgを添加しても反應速度おそく又鹽酸が濃厚過ぎる時はAgを加へなくとも迅速に還元される故にAgの接解作用を明らかに示す鹽酸の濃度2.5～2.85Nの範圍内にて定量すべきことを示した.
(3) 上記鹽酸の濃度の溶液にては還元速度即ち一定量のCe^....が還元されるに要する時間の逆數とAg量とは直線關係を示す.そして1～10γのAgの定量に適することを示した.
(4) 温度の影響及びSO₄″, NO₃″, Hg^.., Cu^.., Fe^..., Bi^..., Sn^....の影響を實驗しSO₄″及びFe^...は影響を示したが然し之等のイオンの一定量の存在に於てはやはり定量が可能であつた.

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紫蘇油成分ペリラアルデヒドの化學構造の研究

阿部滋弘

1943 年 64 巻 6 号 p. 845-848
発行日: 1943/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.845

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ペリラアルデヒドを含水アセトン中過マンガン酸加里を以て酸化し,イソプロペニル(4)-シクロヘキサノル(2)オン(1),融點118°及4-イソプロペニルアヂピン酸,融點117～118°を得之に到達す可き原アルデヒドがイソプロペニル(4)-Δ′-シクロヘキセンアル(7)である事を始めて確定した.尚此の間イソプロペニル(4)-シクロヘキサノル(2)オン(1)醋酸エステル,沸點139～139°/8mm, n²⁰_D=1.4770, d²⁰₄=1.0540及其のセミカルバゾン,融點173～174°を分離確認した.

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氣體を吸着せる表面に低速度電子を衝撃せる時に生ずるイオンの研究(I)

太田芳雄

1943 年 64 巻 6 号 p. 849-853
発行日: 1943/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.849

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氣體を吸着したる表面に低速度電子を衝撃せしめたる場合に發生するイオンのエネルギー分布を求める事により,イオンの發生せる場所及び發生する機構を研究する方法述べ,從來表面から出ると考へられてゐたイオンは大部分表面からでなくて氣相で出來てゐるものなる事を確めた.例へばニッケルに水素を吸着せしめた場合もニッケル表面から直接飛出すイオンは存在しない.然し特殊な氣體を吸着せしめた場合には表面から飛出すイオンも存在する事は次報に詳述する.

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本邦西部の温泉の地球化學的研究(第六報)

岡山縣の温泉のラドン含有量

松浦新之助, 福島隆太, 村上壽人

1943 年 64 巻 6 号 p. 854-857
発行日: 1943/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.854

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(1) 岡山縣下の温泉16箇所のラドン含有量を測定した.
(2) これ等の温泉は一般に泉温の低いものが多く,蒸發殘滓1g/l以下のもの即單純泉が大部分である.
(3) ラドン含有量に於て特に顯著なものはない.
(4) 大釣温泉,奧津温泉等に於て湧出量の多い方にラドン含有量の多い關係が見られた.

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阿蘇火山噴出物の化學的研究(第四報)

火山灰の化學組成の變化(其三)

清田壽

1943 年 64 巻 6 号 p. 858-863
発行日: 1943/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.858

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昭和7年より昭和12年迄に第一火口より噴出せし火山灰の中25種の分析を行ひ,第一火口最近の活動期間中に於る珪酸含量の變化及其他の事項に就て考察した.

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正誤

1943 年 64 巻 6 号 p. 863
発行日: 1943年
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.6_863

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ヂヒドロフラボノール(3-オキシフラバノン)誘導體に關する研究(第四報)

ブロム化フラバノンの醋酸銀其の他2, 3の試劑に對する擧動附稀醋酸溶液に於ける2′-オキシカルコン類のフラバノン類への閉環に就て

小山田太一郎

1943 年 64 巻 6 号 p. 864-868
発行日: 1943/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.864

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ヂヒドロフラボノール類合成の試みとしてブロム化フラバノンに醋酸銀其の他2, 3の試劑を作用せしめたが何れも脱臭化水素の下にフラボンとなり目的を達し得なかつた.
附2′-オキシカルコン類のフラバノン類への閉環を少量の鑛酸を含む稀醋酸溶液に於て行ひ從來法に劣らざる結果を短時間にて擧げることが出來た.

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麥芽根の核酸の研究I

材料,調整法及び精製法に就て

高杉直幹

1943 年 64 巻 6 号 p. 869-872
発行日: 1943/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.869

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植物性ヌクレイン酸特に穀類の胚芽中に含有せられたるヌクレイン酸の研究は古く小麥の胚芽の其れに關し多くの人により行はれて來た.著者は胚芽のみならず其れが發芽し同時に生ずる幼根中にも亦ヌクレイン酸の含有さるゝを豫想し麥酒釀造の原料たる大麥の麥芽製造に際し副産物として得らるゝ麥芽根よりヌクレイン酸を抽出し之が化學的性質並に其の組成は如何なるものかを究めんと本研究を始めたるものなり.本報は其の調製法及び精製法を述べ得たる試料の分析結果を擧げる.即ちC=36.12%, H=3.94%, N=17.11% P=8.96%なるものを得たり.又之が呈色反應試驗及び其の吸收スペクトル測定の結果共にヌクレイン酸特有の性質を有するを知れり.

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有機硫黄化合物の研究(第六報)

チオ尿素フォルマリン縮合物の對應酸素化合物の抽出(I)

今津績

1943 年 64 巻 6 号 p. 873-877
発行日: 1943/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.873

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鹽酸酸性に於て,チオ尿素1モル量,フォルマリン0.2モル量の反應に依り得る, C₃H₈N₄S₂物質にアルカリ性過酸化水素を作用せしむる時に得られる對應酸素化合物は,水溶液中加熱に依り急速に分解する傾向あるも,蒸溜操作に注意せば,純白なる結晶を捕捉し得る.分解點(未補正)187～188° C₃H₈N₄O₂・H₂Oに一致する.
本物質は門脇氏¹⁾のメチレンヂ尿素と比較するに特に過マンガン酸加里反應に於て劃然たる相違を示し,種々なる點よりその異性體と考へられる.

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貝類,甲殼類並に棘皮動物の脂肪性物質中の不鹸化物,殊にステリンに就て(第三報)

ハマグリの脂肪性物質中のステリンに就て

外山修之, 矢島將一

1943 年 64 巻 6 号 p. 878-882
発行日: 1943/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.878

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ハマグリMeretrix meretrix (Linné)の脂肪性物質中のステリンを分別してC₂₈H₄₆OF₂に相當するステリンを分離し,之をメレトリステリン(Meretristerol)と命名した.メレトリステリンは融點133～134.5°,〔α〕²⁹_D=-44.1°,其の醋酸エステルは融點144～144.5°,〔α〕²⁹_D=-50.2°である.なほハマグリのステリン中にはコレステリンも存在する.

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簡單なる液體の熱壓力に就て

熔融鹽の電氣傳導度の研究(第八報)

完戸俊助

1943 年 64 巻 6 号 p. 883-886
発行日: 1943/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.883

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著者が簡單なる液體分子の熱運動に就て示せる第五報²⁾及び第六報¹⁾の考察と第三報³⁾の粘性係數の誘導方法とより,簡單なる液體の熱壓力(Thermal Pressnre)に就て考究した.

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アセトン・ブタノール醗酵の高沸點生成物(第一報)

ブタノール油の中性成分(其一)

藤田安二

1943 年 64 巻 6 号 p. 887-894
発行日: 1943/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.887

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本報に於ては甘藷を用ふるアセトン・ブタノール醗酵の高沸點中性成分の檢索結果に就て述べる.

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液體の粘度に對する電場の影響に就てI

木村修

1943 年 64 巻 6 号 p. 895-900
発行日: 1943/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.895

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1) 液體の粘度に對する電場の影響を研究する爲に特種なる粘度計を製作した.
2) 先づベンゼンクヘサン等の無極性の液體に於ては電場の影響無き事を確め,然る後に脂肪酸の同族體即ちラウリン酸,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸等の溶液に就き電場の影響を調べて分子の長さによつて其の影響が如何に變化するかを見た。更にオレイン酸,エライヂン酸,セチルアルコール及びエチルセルローズ等に就ても測定した.
3) 之等の測定により粘度は一般に電場に於て増加を示し,其の増加は同一溶液では濃度高き程大であり,更に
4) 溶質の分子の双極子能率のほぼ等しき溶液では溶質の分子の長き程影響は大である.エチルセルローズの如き長い分子では電場の影響は特に顯著である.
5) 之等の事實より電場による粘度の變化は分子の電場による方位性によるものと考へられる.

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二價金屬の三内錯環錯基に就て(第一報)

三ヒノキチオール錯基に就て

飯沼弘司

1943 年 64 巻 6 号 p. 901-904
発行日: 1943/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.901

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ヒノキチオールは有機溶媒中で容易に二價金屬に三分子配位して, 3つの内錯環をもつ陰錯イオン型化合物を作る.銅,ニッケル,マンガン,亞鉛,マグネシウムについてこの型の多數の錯鹽の一列を合成し,之等が電解質型化合物であると考へられるのに有機溶媒に對し異常の溶解度を示すことを指摘した.

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樟牛油の研究(第四報)

テルピネノール-4よりカルヴァクロール,カルヴォメントールの合成

内藤力

1943 年 64 巻 6 号 p. 905-908
発行日: 1943/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.905

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樟牛油の主成分をなすテルピネノール-4よりカルヴァクロール及びカルヴォメントールを合成しその反應條件を檢討せり.

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ベニヒオール(d-ヂヒドロミルテノール)及びべニヒノール(d-ミルテノール)の敷種の反應に就て(其二)

瀬邊惠鎧

1943 年 64 巻 6 号 p. 909-914
発行日: 1943/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.64.909

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(1) ミルテノール及びベニヒオールは共に無水醋酸及び活性白土によりて醋化されるが鹽化鐵-稀醋酸によりてはミルテノールは脱水重合又は酸化されベニヒオールはアセタートに變化す.これによりミルテノールと混ずるベニヒオールを分離精製し得.
(2) 精製せるベニヒオールも亦ミルテノールと類似の反應をなし且近似せる恒數を有する誘導體少からず.
(3) ミルテナールを直接クロム酸にて酸化して得らるゝ酸はオキシム,ニトリルを經て作れるもの及び酸化銀にて酸化して得らるゝものと同一のミルテン酸なるがベニヒアールをクロム酸にて酸化すれば結晶ベニヒ酸を生じ酸化銀にて酸化すれば開環してテトラ-ヒドロクミン酸を與ふ.此酸はフエランドラールより得らるゝものと同一物と推定せり.

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