氣體を吸着せる表面に低速度電子を衝撃せる時に生ずるイオンの研究(I)

抄録

氣體を吸着したる表面に低速度電子を衝撃せしめたる場合に發生するイオンのエネルギー分布を求める事により,イオンの發生せる場所及び發生する機構を研究する方法述べ,從來表面から出ると考へられてゐたイオンは大部分表面からでなくて氣相で出來てゐるものなる事を確めた.例へばニッケルに水素を吸着せしめた場合もニッケル表面から直接飛出すイオンは存在しない.然し特殊な氣體を吸着せしめた場合には表面から飛出すイオンも存在する事は次報に詳述する.