日本化學會誌
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ベニヒオール(d-ヂヒドロミルテノール)及びべニヒノール(d-ミルテノール)の敷種の反應に就て(其二)
瀬邊 惠鎧
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1943 年 64 巻 6 号 p. 909-914

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抄録

(1) ミルテノール及びベニヒオールは共に無水醋酸及び活性白土によりて醋化されるが鹽化鐵-稀醋酸によりてはミルテノールは脱水重合又は酸化されベニヒオールはアセタートに變化す.これによりミルテノールと混ずるベニヒオールを分離精製し得.
(2) 精製せるベニヒオールも亦ミルテノールと類似の反應をなし且近似せる恒數を有する誘導體少からず.
(3) ミルテナールを直接クロム酸にて酸化して得らるゝ酸はオキシム,ニトリルを經て作れるもの及び酸化銀にて酸化して得らるゝものと同一のミルテン酸なるがベニヒアールをクロム酸にて酸化すれば結晶ベニヒ酸を生じ酸化銀にて酸化すれば開環してテトラ-ヒドロクミン酸を與ふ.此酸はフエランドラールより得らるゝものと同一物と推定せり.

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