1944 年 65 巻 2 号 p. 141-143
ピナコンの加壓接觸還元に際して副生されるヘキサノル溜分の組成を確める目的を以て,先づ2, 2-及び2, 3-ヂメチルブタノル-(3)の各純粹試料のラマン・スペクトルを撮影した結果,夫々波數720cm_??_及び699cm-1に於て極めて特徴ある強度大なるラマン線を有することを發見したので,之を標準として上記ヘキサノル溜分のラマン・スペクトルを調べたるに,純ニッケル,ニッケル珪藻土等を觸媒とせる場合には2, 2-及び2, 3-兩異性體が生ずるが,酸化銅・酸化クロム(酸化バリウムなし)の場合には2, 2-異性體のみを〓また酸化銅・酸化クロム(+酸化バリウム)の場合には2, 3-異性體のみを生ずることを知つた.なほ2, 2-異性體を生ずる場合には相當するケトン即ちピナコリンが多少とも副生されることを認めた.
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