1944 年 65 巻 3 号 p. 281-286
第一報1)及び第二報2)に於いて述べられた如く,大腸菌懸濁液の觸媒する蟻酸脱水素反應に對し次亞燐酸は著しく特異的且不可逆的な阻害を及ぼす.この現象は次亞燐酸が酵素と不可逆二分子反應的に結合して觸媒能なき結合物を作ることに由來する.阻害は極めて微量の毒物濃度に於いて既に認められるので,酵素の濃度と同じ程度の微少濃度の毒物を與ふる時,酵素ー毒物間の反應速度(酵素作用阻害度の進行)の解析から,生きた細菌體内の酵素の量を知ることが出來た.
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