日本化學會誌
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ヘキザミンに依る金屬の定量分析(第一報)
蒼鉛の新定量法
柿田 八千代
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1944 年 65 巻 5 号 p. 435-439

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抄録

1. 蒼鉛がヘキザミンと沃化加里とにより生ずる黄色及び橙色沈澱は二種の化合物であることを熱天秤により示した.
2. 黄色沈澱は蒼鉛の定量に適さないのに反し,橙色沈澱は120~200°の範圍にて乾燥することによりBiOIの一定組成の沈澱として正確に定量することが出來ることを示した.
3. 沈澱が完全なる酸の濃度が硝酸0.1N以下で,酸が多ければヘキザミンを多くしてpHを4以上にすることが必要である. SO4″, NO3′は多量共存しても影響はないがCl′及び有機酸鹽の存在に於いては定量不可能である.
4. 沃素酸加里滴定法にて液状アマルガム還元器を使用することによりシアン化水素の危險がなく滴定を行ふことが出來,之を用ひてBiOIを鹽酸に溶解し沃素酸加里標準液にて滴定した.

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