日本化學會誌
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椰子油の研究(第二報)
合成グリセライド混合物及び合成グライコレート混合物の泡立
和田 忠明
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1944 年 65 巻 5 号 p. 440-443

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抄録

1. 炭素數2より18に至る飽和脂肪酸のトリグリセライドを合成し,夫等と大豆油,トリステアリン又はトリオレインとの半々混合物に就き試驗せる結果, C2, C16, C18を除き總て泡立ちを示し,泡の高さはC8のグリセライドが極大を示し,その兩側で泡の高さに漸次低くなつた.又トリオレインと混ぜた場合がトリステアリンと混ぜた場合より泡が高かつた.
2. 上の結果より椰子油と他油を混和した場合の泡立ちは,椰子油が一般油脂と異り,上記脂肪酸中C14以下C6迄の各種低級脂肪酸のグリセライドを含む事に起因することを實證し得た.
3. ラウリン酸とステアリン酸のエチレングライコールエステル混合物もグリセライドと同様泡立ちの現象を示す.
即ち低級脂肪酸と高級脂肪酸とが共存する場合その一方又は双方が脂肪酸若しくは一價アルコール,エステルの時は泡立ちを示さぬが,双方が二價以上のアルコール,エステルとなる時は泡立現象を示す様になることを知つた.

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