日本化學會誌
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硫酸第一チタンに依る容量分析法(第八報)
沃素の定量
江見 浩一
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1944 年 65 巻 6 号 p. 503-506

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抄録

(1) 沃素を酸性或はアルカリ性溶液に於いて硫酸第一チタン溶液を以て滴定する方法を案出して其の最適の條件を決定した.
(2) 酸性溶液に於いて沃素を滴定する際其の還元温度が60°C以下の時は1/45Nの硫酸第一チタン溶液では完全な還元反應を起きない.
(3) アルカリ性溶液に於いての滴定では硫酸第一チタンで還元する時間を3~5分間,アルカリの濃度1/2N溶液,硫酸第一チタン溶液の濃度を1/3O~1/25N溶液となした時定量的の數値が得られる
(4) 酸性及びアルカリ性溶液に於いての滴定方法を次の如く決定した.
酸牲溶液に於いての滴定方法
沃素溶液15cc(約1/30N溶液)を容量150ccの三角フラスコに採り,之に炭酸ガスを通じながら1/30N硫酸第一チタン溶液30ccを加へて50°Cに於いて5分間保持して後,之を1/30N鐵明礬溶液を以て滴定する.
アルカリ牲溶液に於いての滴定方法
沃素溶液15ccを容量200ccの三角フラスコに採り,之に1/2N苛性ソーダ溶液25cc及び酒石酸ソーダ0.4gを加へて後,之に炭酸ガスを通じながら1/30N硫酸第一チタン溶液30ccを加へ5分間放置後, 1/2N硫酸約30ccを加へて酸性となし之を1/30N鐵明礬溶液を以て滴定する.尚別に空白滴定を行つて前記の數値を補正する.

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