日本化學會誌

阿蘇火山噴出物の化學的研究(第十一報)

湯の谷火口跡及び其の附近に於ける火山物質に就て(其三)

清田壽

1944 年 65 巻 6 号 p. 495-498
発行日: 1944/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.65.495

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湯の谷火口跡及び其の附近で採集した熔岩分解物4種,半分解熔岩片2種,舊火出灰2種の分析を行ひその結果に就て考察した.

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正誤

1944 年 65 巻 6 号 p. 498a
発行日: 1944年
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.65.6_498a

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正誤

1944 年 65 巻 6 号 p. 498b
発行日: 1944年
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.65.6_498b

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硫酸第一チタンに依る容量分析法(第七報)

蒼鉛酸ソーダの定量

江見浩一

1944 年 65 巻 6 号 p. 499-502
発行日: 1944/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.65.499

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(1) 蒼鉛酸ソーダを硫酸第一チタンを以て還元定量する方法を案出して實驗を試み,次の結果を得た.
蒼鉛酸ソーダを硫酸溶液に於て還元定量を行ふ際は5價の蒼鉛が3價の蒼鉛までの還元に止まるが,醋酸ソーダ或は酒石酸ソーダの溶液にあつては金屬蒼鉛まで還元される.
(2) 醋酸ソーダ溶液に於ての滴定法を次の如く定めた.
試料約0.24gを容量150ccの三角フラスコに秤取し,之に醋酸ソーダ溶液20cc及び酒石酸ソーダ0.4gを加へ,加温して試料を完全に溶解させる.次で之に炭酸ガスを通じながら1/10N硫酸第一チタン溶液35ccを加へて後濃硫酸7ccを加へ,更に硫青化アムモニウム溶液3ccを添加の上1/1ON硫酸第一チタン溶液を以て滴定して其の赤色が消失する時を滴定の終點とする.
(3) 酒石酸ソーダ溶液に於て還元滴定を行つたところ凡て低い分析結果となつた.勿論此の方法では蒼鉛酸ソーダを定量することは出來ない.
(4) 硫酸酸性溶液に於ての滴定方法は次の如くである.
試料約0.15gを容量150ccの三角フラスコに秤取して,之に炭酸ガスを通じながら1/30N硫酸第一チタン溶液40ccを加へる.次に更に1/10N鐡明礬溶液15cc及び硫青化アムモニウム溶液3ccを加へて,然る後に1/30N硫酸第一チタン溶液を以て滴定する.
(5) 蒼鉛酸ソーダを硫酸第一チタン溶液を以て滴定する際は試藥の節約及び滴定法の簡易の點から硫酸酸性溶液に於ての滴定方法を採るべきであると思はれる.

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硫酸第一チタンに依る容量分析法(第八報)

沃素の定量

江見浩一

1944 年 65 巻 6 号 p. 503-506
発行日: 1944/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.65.503

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(1) 沃素を酸性或はアルカリ性溶液に於いて硫酸第一チタン溶液を以て滴定する方法を案出して其の最適の條件を決定した.
(2) 酸性溶液に於いて沃素を滴定する際其の還元温度が60°C以下の時は1/45Nの硫酸第一チタン溶液では完全な還元反應を起きない.
(3) アルカリ性溶液に於いての滴定では硫酸第一チタンで還元する時間を3～5分間,アルカリの濃度1/2N溶液,硫酸第一チタン溶液の濃度を1/3O～1/25N溶液となした時定量的の數値が得られる
(4) 酸性及びアルカリ性溶液に於いての滴定方法を次の如く決定した.
酸牲溶液に於いての滴定方法
沃素溶液15cc(約1/30N溶液)を容量150ccの三角フラスコに採り,之に炭酸ガスを通じながら1/30N硫酸第一チタン溶液30ccを加へて50°Cに於いて5分間保持して後,之を1/30N鐵明礬溶液を以て滴定する.
アルカリ牲溶液に於いての滴定方法
沃素溶液15ccを容量200ccの三角フラスコに採り,之に1/2N苛性ソーダ溶液25cc及び酒石酸ソーダ0.4gを加へて後,之に炭酸ガスを通じながら1/30N硫酸第一チタン溶液30ccを加へ5分間放置後, 1/2N硫酸約30ccを加へて酸性となし之を1/30N鐵明礬溶液を以て滴定する.尚別に空白滴定を行つて前記の數値を補正する.

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ポーラログラフ法分析装置の改良と其の性能の進歩に就て(VI)

水銀滴下電極と水銀溜間の改良

品川睦明

1944 年 65 巻 6 号 p. 507-509
発行日: 1944/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.65.507

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水銀滴下電極と水銀溜間を從來の如く單に肉厚ゴム管を以て連絡する方法は種々使用上缺點を有するを以て圖の如き硝子製裝置を挿入することによりて大いに便宜を得るに至つた.

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椰子油の研究(第三報)

油脂及びその關係物質の表面張力

和田忠明

1944 年 65 巻 6 号 p. 510-512
発行日: 1944/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.65.510

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1. 二三油脂類の表面張力を測定せる結果此等の表面張力の値には油脂の種類に依り幾分の差があり, 且つ何れの場合も表面張力は温度に比例して降下する.
2. 油脂及びその混合脂肪酸そのメチルヱステルの表面張力は油脂,脂肪酸,メチル,ヱステルの順序に大である.ラウリン酸に就ても同様でグリセライド酸,ヱステルの順序すある.
表面張力の温度に依る降下が直線的なるは,以下油脂及びその關係物質總てに於て見られた.
3.飽和脂肪酸列の表面張力は分子量の増す程大である.
4.飽和脂肪酸列のトリグリセライドの表面張力は原脂肪酸の表面張力より大て,且つ低級のもの二三を除けば分子量の大なるもの程大である.
5.混合油の表面張力は二三の例外を除けば,各温度に於て兩者の中間に來り幾分低表面張力成分の値に近い値を示す.
6. 5の結果より,椰子油他油混合油の泡立ちは表面張力の測定結果のみにては説明し得ない.

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油脂中の高度不飽和酸(第二報)

脱蝋鰮油及び其の混合脂肪酸,高度不飽和酸,高度不飽和酸メチルエステルの室温酸化

小野二荒, 外山修之

1944 年 65 巻 6 号 p. 513-518
発行日: 1944/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.65.513

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前報に於て鰛油より製取せる高度不飽和酸メチルエステルの室温酸化に對しハイドロキノンが酸化防止能強きことを認めたが,今囘(A)脱蝋鰛油,其の混合脂肪酸(不鹸化物含有),不鹸化物拔き混合脂肪酸,不鹸化物添加混合脂肪酸, (B)脱蝋鰮油より製取せる高度不飽和酸,其のメチルエステル(不鹸化物含有),不鹸化物拔きメチルエステル並びに其の蒸溜物に就て室温酸化を行つた結果次の事がわかつた. (1)酸化の初期に於ける重量増加は脱蝋鰛油よりも其の混合脂肪酸の方が大である. (2) 脱蝋鰛油の不鹸化物成分中には酸化防止劑が假令含まれてゐるとしても,斯かる成分は不鹸化物分離の操作中に既に變化して,分離した不鹸化物には酸化防止能が無い, (3)ハイドロキノンは高度不飽和酸メチルエステルに對して強き酸化防止能を示したが,脱蝋鰛油,其の混合脂肪酸並びに遊離の高度不飽和酸に對しては,高度不飽和酸メチルエステルに對するほど酸化防止能は強くない.

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高分子溶液の異常エントロピーに就いて

藤代亮一

1944 年 65 巻 6 号 p. 519-522
発行日: 1944/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.65.519

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高分子を溶媒にとかすときその溶液を異常エントロピーを示すことが知られてゐる,今高分子が溶媒のn個の場所を占め得ると假定すれば簡單なる計算の結果その配置數は通常の混合配置數よりずつと多くの値をとり得ることが示される.即ち通常の混合エントロピーよりも大きい異常エントロピーを示すことになる.

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炭化水素の低温酸化反應(第一報)

器壁の影響

金子義久

1944 年 65 巻 6 号 p. 523-526
発行日: 1944/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.65.523

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炭化水素の低温酸化反應が,氣筒内燃焼の模型となり得るか否かを檢討するために直徑3cm,長さ15cmのテレックス容器に33.7cm水銀壓,容量比3.5:96.5のn-C₆H₁₄-O₂,混合物を入れて之を281°Cに熱し瞬間的な壓の變化を追跡し得る様に裝置して實驗した結果,爆發反應の起ることを見出し其の反應について次の結論を得た.
1. 反應は氣相中で進行し,テレックス器壁に依つて妨害される.
2. こゝに使つた大さの容器の器壁による1.の妨害は殆んど問題にならない.
3. この現象は反應が同様に氣相中に起り,器壁が重要な役割をして居ないことが理諭的に推測せらるゝ氣筒内反應と共通點を有し,從つてこの實驗によつて,氣筒内反應の機構に結論を下し得る見込がある

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二三の脂肪酸エステルの双極子能率

高公子化合物の分子構造に關する研究第二報

小寺明, 西村鹿夫, 大戸好子

1944 年 65 巻 6 号 p. 527-532
発行日: 1944/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.65.527

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三メチル醋酸,メタクリル酸,イソ酪酸のメチルエステル双極子能率を0°, 20°, 40°Cに於て,ヘキサン,ベンゼン,ヂオキサンで測定し, 1.75乃至1.79Dのほゞ同一の値を得た.この結果に對して分子構造論的考察を行ひ,且つこれ等の値を用ひて前報のスチロール-メタクリル酸チチル共重合體の分子構造を更に檢討した.

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寒天の化學的研究(第十三報) (其一)

石花菜寒天質の部分的加水分解によるアガロビオースの分離

荒木長次

1944 年 65 巻 6 号 p. 533-538
発行日: 1944/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.65.533

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1) 石花菜寒天質を1N硫酸と沸騰水浴上に1時間加温して部分的加水分解を行ひ,それより重糖及び寒天酸を分離せり.この重糖をアガロビオース(Agarobiose)と命名せんとす.
2) 粗アガロビオースをメチル化して六メチル-アガロビオース　二メチル-アセタールを分離し得たり.

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2-α-フリル-クロマノン及び其の誘導體の合成

大塚義夫

1944 年 65 巻 6 号 p. 539-541
発行日: 1944/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.65.539

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フラヴァノン(2-フェニル-クロマノン)のフェニル基をα-フリル基で代へた2-α-フリル-クロマノン及び其の誘導體を合成して,その性質を對應するフラヴァノン及び其の誘導體と比較した.

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種々の金屬酸化物觸媒に依るアムモニアの低温酸化

森田徳義

1944 年 65 巻 6 号 p. 542-548
発行日: 1944/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.65.542

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接觸酸化反應に於ける酸素の行動を,氣態酸素と水蒸氣との間に於ける酸素原子の接觸交換反應との對比により推定せんとする實驗の一例として,アムモニアの低温酸化反應を檢した.種々の金屬酸化物觸媒のアムモニア酸化に對する活性度は,接觸交換反應に對する活性度と略々比例して居り,兩者間に密接なる關係の存在せる事を示す.然しアムモニア酸化の認められ始める温度は,交換反應のそれに比すれば一般に著しく低い.此の事はアムモニアの酸化が,觸媒に賦活吸着されたる酸素の内,比較的賦活程度の低い酸素に依つても行はれ得ることに基くものと思はれる.更に助觸媒を添加したる時の影響を,酸化鐵觸媒の場合に就いて檢討した.

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正誤

1944 年 65 巻 6 号 p. 548
発行日: 1944年
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.65.6_548

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ラマン効果による揮發油の研究(第二報)ランタウ(北スマトラ)揮發油の分析

水島三一郎, 飛山恒雄, 白川宏江

1944 年 65 巻 6 号 p. 549-554
発行日: 1944/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.65.549

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ラマン効果を利用してランタウ揮發油の分析を行ひ成分炭化水素の種類及び百分率を決定した.

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炭素不飽和結合の化學的研究(第二報)

ヂヴィニル-アセチレンの接觸還元(續報)

福井憲二

1944 年 65 巻 6 号 p. 555-556
発行日: 1944/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.65.555

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ヂヴィニル-アセチレン還元生成物のポドビールニアーク分溜分析については前報で報告したが,更に主溜分以外の殘餘の溜分の酸化分解を行つた結果,ヂヴィニル-アセチレンの接觸還元で得られるヘキセンはn-ヘキセン-2が殆んど大部分である事を決定した.

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溶質の溶け行く過程に就て(補遺一)

石川鐵彌

1944 年 65 巻 6 号 p. 557-563
発行日: 1944/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.65.557

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溶液中の溶媒和物を決定する一便法を見出した.夫れによつて數種の複雜なる電解質水溶液を解析し,前報において例證の不足した電解質の晶出過程を具に考察した結果を追加して置く.

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志賀赤痢菌菌體外毒素の化學的研究(第三報)

江上不二夫, 八木康夫, 細谷省吾, 西宮恒

1944 年 65 巻 6 号 p. 564-568
発行日: 1944/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.65.564

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1) 志賀赤痢菌菌體外毒素の精製方法を改良し,駒込株よりは體重12gのマウスに對して最小致死量(m.l.d.) 0.1γ,東白株よりは1γのものを得た. 2)毒素核蛋白質の核酸部分と蛋白部分とを分離するに成功し,その各々の化學的及び免疫學的研究を行つた. 3)毒性及が沈降性は兩部分とも略々同程度に認められる. 4)駒込株及び東白株毒素の間には燐,硫黄含量に於て著しい差が認められる.又核酸中の糖の種類にも著しい相違が見出された. 5)分離せる蛋白部分は尚相當量(約10%)の糖を含んで居る.

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ビタミンB₁のヂアゾ反應に就いて(II)

Prebulda氏試藥に依るビタミンB₁比色定量に於ける呈色増強物質

村田希久, 加茂貴世子

1944 年 65 巻 6 号 p. 569-572
発行日: 1944/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.65.569

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Prebulda氏試藥に依るビタミンB₁の比色定量に於て,呈色増強物質としてフェノールの酒精溶液(D液)が用ひられてゐる.之が何故に該作用するかゞ明かではなかつたが,該溶液は生成色素の反應促進に與つて力ある許りでなく,ビタミンB₁を測定する物質中に共存する不純物の試藥に對する阻害作用を防止する働きをも有する事を認めた.又生成色素の反應促進作用に於ては,アニリンの酒精溶液がD液よりも優る事を認めたが,此ものは不純物の阻害作用を除去する作用に於てはD液に劣る爲,實際測定に當つて,之をD液に代へても呈色度に大差なき故,比色定量の改良には役立たない.

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ピナコンより異性ヘキサン類の生成(第七～九報)

第七報2, 2ヂメチルブタノル-(3)の接觸還元に伴ふ異性化に就て第八報ピナコンより生成される異性ヘキサンのラマン・スペクトル第九報ピナコンの接觸還元の機構に就て

雨宮登三

1944 年 65 巻 6 号 p. 573-581
発行日: 1944/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.65.573

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2, 2-ヂメチルブタノル-(3)の加壓接觸還元によつて得られた炭化水素溜分の性質をラマン・スペクトルによつて精査した結果,次の事實が知られた.
(1) 2, 2-ヂメチルブタノル-(3)の接觸還元によつて生成される炭化水素は使用した觸媒によつて著しい差違を生ずる.
(2) 酸化銅・酸化クロム(+酸化バリウム)は異性化を全然進行せしめず,專ら2, 2-ヂメチルブタン(ネオヘキサン)を生成せしめるが,之に反して酸化銅・酸化クロム(酸化バリウムなし)は異性化を完全に進行せしめ,また還元ニッケル及び酸化モリブデンは共に異性化を一部進行せしある.
(3) 先に第二報に於て異性化を完全に進行せしめる如く考へられたニッケル-珪藻土及び二硫化モリブデンの場合にも微量乃至痕跡程度の2, 2-異性體が生じ得る.
ピナコンの加壓接觸還元(第一報)によつて得られた異性ヘキサン溜分の組成を再吟味する目的を以て,夫等のラマン・スペクトルを撮影した結果,主成分は常に2, 3-ヂメチルブタンであるといふ結論が再確認されたが,或る場合には微量の2, 2-異性體が夾雜し得ることが知られた.
ピナコンの接觸還元による異性ヘキサンの合成に關して今日までに行つた結果を總括し,その反應機構を確立した.
(1) ピナコンの接觸還元反應は中間體として2, 2-ヂメチルブタノル-(3)のみを經る型式, 2, 2-及び2, 3-ヂメチルブタノル-(_??_)兩者を經る型式及び2, 3-ヂメチルブタノル-(3)のみを經る型式の3種に分類される.
(2) 何れの中間段階を經るかは觸媒によつて定まるが,常に最終生成物は殆ど又は完全に2, 3-ヂメチルブタンのみで, 2, 2-異性體は譬へ生成されても痕跡程度である.
(3) 最終生成物が中間段階の如何に拘らず常に同一となるのは,ピナコリン轉位竝にその逆轉位が同一觸媒によつて同一程度に促進される故である.

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正誤

1944 年 65 巻 6 号 p. 581
発行日: 1944年
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.65.6_581

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イソサフロールの重合(第一報)

金屬鹽によるヂイソサフロールの合成

竹林松二

1944 年 65 巻 6 号 p. 582-586
発行日: 1944/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.65.582

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鐵,銅,アルミニウム及び亞鉛等のハロゲン化合物(何れも無水物)を重合劑としてイソサフロールの二分子重合を行ひ,各々重合劑による重合の難易,生成物ヂイソサフロールの融點並にその收量等に就きて述べる.

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液體の粘度に就て

木村修

1944 年 65 巻 6 号 p. 587-590
発行日: 1944/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.65.587

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液體の粘度の絶對値を計算するために二三の理論的考察を行ひ實測値と比較せり.

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訂正

1944 年 65 巻 6 号 p. 590
発行日: 1944年
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.65.6_590

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樟生體内に於ける精油の生成樣式(第九報)

オホバグスの精油の生化學(其二)

藤田安二, 山下武夫

1944 年 65 巻 6 号 p. 591-597
発行日: 1944/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.65.591

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前報に續きオホバグスの各部の精油の成分を檢索定量し〓その結果に基づき生化學的知見を述べる.

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東亜に特有なる唇形科植物イヌカウジユ屬の精油に關する研究(第三十報)

タイワンヒメジソの精油(其三)

藤田安二

1944 年 65 巻 6 号 p. 598-602
発行日: 1944/06/28
公開日: 2009/12/22

DOIhttps://doi.org/10.1246/nikkashi1921.65.598

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タイワンヒメジソを撰別してカルバクロールに富むものを分ち,その成分を檢索した.

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