日本化學會誌
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椰子油の研究(第三報)
油脂及びその關係物質の表面張力
和田 忠明
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1944 年 65 巻 6 号 p. 510-512

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抄録

1. 二三油脂類の表面張力を測定せる結果此等の表面張力の値には油脂の種類に依り幾分の差があり, 且つ何れの場合も表面張力は温度に比例して降下する.
2. 油脂及びその混合脂肪酸そのメチルヱステルの表面張力は油脂,脂肪酸,メチル,ヱステルの順序に大である.ラウリン酸に就ても同様でグリセライド酸,ヱステルの順序すある.
表面張力の温度に依る降下が直線的なるは,以下油脂及びその關係物質總てに於て見られた.
3.飽和脂肪酸列の表面張力は分子量の増す程大である.
4.飽和脂肪酸列のトリグリセライドの表面張力は原脂肪酸の表面張力より大て,且つ低級のもの二三を除けば分子量の大なるもの程大である.
5.混合油の表面張力は二三の例外を除けば,各温度に於て兩者の中間に來り幾分低表面張力成分の値に近い値を示す.
6. 5の結果より,椰子油他油混合油の泡立ちは表面張力の測定結果のみにては説明し得ない.

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