日本化學會誌
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溶解全炭酸及び固體の炭酸鹽並びに重炭酸鹽の微量定量法
小山 忠四郎菅原 健
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1944 年 65 巻 7 号 p. 703-709

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抄録

〓に筆者等は溶在全炭酸の微量定量法1)を發表したが之が實行にはかなりの熱源を必要とするので左様の設備のない野外での測定には固難が伴つた.又數箇の装置を一人の測定者が同時に扱ふことが出來ないので幾種類かの試水の同時觀測が不可能であると云ふ缺點があつた.今囘報告の新微量定量法は以上の困難を除去したる上然も試水250ccを用ひて溶在全炭酸を0.02~0.03cc以下の誤差を以て定量,〓ち試水1lに就いては含有炭酸を0.1ccの精度を以て定量し得るものである.
本法の要點は試水を一定量の亞鉛粒を入れた容量既知の分解壜に取りこれに硫酸を作用せしめ溶在全炭酸を分解して炭酸瓦斯とする.同時に亞鉛と硫酸との作用により生じた水素瓦斯によりこの炭酸瓦斯を水酸化バリウム溶液中〓誘引して此處で之を完全に炭酸バリウムの状態に固定する.かくて残存する水酸化バリウムを鹽酸で滴定し溶在全炭酸を測定するものである.

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