日本化學會誌
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朝鮮産岩石及び鑛物のラヂウム含量(其五)
朝鮮産岩石類のラヂウム含量(二)
齋藤 信房
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1946 年 67 巻 1 号 p. 13-18

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抄録

i)朝鮮産火山岩十一種及び濱田産の霞石玄武岩一種に就きラヂウム含量の測定を行つた.
ii)噴出時代とラヂウム含量との關係は明かでない.
iii)玻璃質の岩石がラヂウム含量大なる傾向を有する.
iv)玄武岩及び安山岩に就き本邦内各火山帶のラヂウム含量を比較すれば,富士火山帶を最小に,那須火山帶,瀬戸内火山帶,霧島火山帶,阿蘇火山と次第に大となり.環日本海アルカリ岩石區が最も大きい.
v)本邦火山岩に關する限りラヂウム含量は異種類の岩石間にあつては珪酸の増加,同種類の岩石間にあつては加里の増加に伴つて大となる傾向を認め得る
vi)一般の玄武岩に比して含准長石玄武岩のラヂウム含量が相當に大きい事は,かゝる岩石の生成が岩漿の末期か或はある特殊な環境下に行はれたであらうことを暗示する.
vii)滿洲産玄武岩及び濱田産玄武岩のラヂウム含量の大なる事實は,環日本海アルカリ岩石區の境界に就き若干の示唆を〓へる.
viii)外國産火山岩と比較すれば,ラヂウム含量は其の中位にあり,アルカリ岩のみを探ればEvans, Goodmanの求めてゐる平均値と略々等しい.

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