日本化學雜誌
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塩化アルミニウムの存在におけるβ-プロピオラクトンとベンゼンとの反応
長久保 国治岩倉 義男竹居 光二岡田 隆
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1957 年 78 巻 8 号 p. 1209-1212

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抄録

β -プロピオラクトンの化学反応性に関する研究の一環として,塩化アルミニウムの存在のもとでベンゼンとβ -プロピオラクトンを反応させ,生成物としてβ -フェニルプロピオン酸(I),β -クロルプロピオン酸(II),β -オキシプロピオフェノン(III),ビニルフェニルケトン(IV),およびα 一ヒドロインドンVの5種の化合物を単離した。反応温度を6°,25°,50°80℃に変化させると,それにともなって各生成物の収率も変化する。その結果からこの反応における生成物の生成径路を考察し,主反応としてβ-プロピオラクトンとベンゼンからまずIおよびIIが生じ,ついでIからV,IIIからIVが生じるものと考えた。IIの生成はβ一プロピオラクトンと塩化アルミニウムの反応によるものであり,また高温でIの一部はIIとベンゼン反応によって生じることを確かめた。

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