1957 年 78 巻 8 号 p. 1216-1218
Done,Fowdeneによれば天然物から単離したγメチレングルタミン酸は中性溶液で比旋光度は零であるが,その立体配置は脱炭酸酵素に対する挙動からL系であると推定された。著者らはこのアミノ酸の光学的性質を明らかにするため,r-一メチレンーDL一グルタミン酸をギ酸一無水酢酸でホルミル化し,ブルシンおよびシンコニンを用いて光学分割し,それぞれの難溶性塩から光学的に純粋な左旋性および右旋性のγ一メチレングルタミン酸([α]DF14・00;11%塩酸)をえた。左旋性遊離酸のホルミル誘導体の過マンガン酸バリウムによる酸化で光学的に純粋なD一アスパラギン酸を与えることからD(一)およびL(+)で表わされるべきことを明らかにした。D(一)酸のいろいろなpH領域における比旋光度を測定した結果,水溶液では零であるが,中性溶液では零ではなく[α]S3十3.640であった。
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