1958 年 79 巻 8 号 p. 963-968
ジメチルエーテルのラマン効果, および赤外線吸収スペクトルの観測結果より帰属を行って決定した21個の基準振動数と分子定数を用い, 各温度における比熱, エントロピー, 自由エネルギー関数, エンタルピー関数を算出して実験値と比較した。低振動数領域に観測された振れ振動は熱力学関数に対する寄与が最も大きいが, これを単なる調和振動と近似しても比較的よく実験値を満足するが, さらに近似を高めて非調和振動として取り扱う一般式を導いて計算を行った。その結果二つの捩れ振動の結合項までも考えると妥当な結果が得られず, これらがたがいに独立であるとして非調和性の大きい低振動の方にのみ一般式を適用して計算すればよいことがわかった。また非調和項は比熱に対する寄与の方がエントロピーに対するよりも大きいことがわかった。
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