1958 年 79 巻 8 号 p. 968-971
著者はさきにテルル (IV) とテルル (VI) の両イオンをTBP抽出により分離する方法を検討し,テルル (IV) は2~10Nまでの塩酸溶液からTBP (100%) によりほとんど完全に抽出され, テルル (VI) は抽出されず水層に残り, 両イオンは定量的に分離するという結果を得た。それゆえ, 同じ条件のもとにジエチルジチオカルバミン酸ナトリウムを加えてテルル (IV) のみを沈殿させ, それをTBPにより抽出して呈色させ, 両イオンを分離すると同時に抽出されたテルル (IV) を分光光電光度計により定量する方法をしらべた。その結果3~6Nまでの塩酸溶液で, ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム溶液を加えてTBP(100%) により抽出すれば,波長340mμでテルルの量50γまで, 400mμではテルルの量100γまでの範囲で定量できることが明らかになった。
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