日本化學雜誌
Online ISSN : 2185-0917
Print ISSN : 0369-5387
ISSN-L : 0369-5387
エタン,メタンおよびその重水素化合物のコリオリ定数と力の定数について
中川 一朗島内 武彦
著者情報
ジャーナル フリー

1959 年 80 巻 2 号 p. 128-133

詳細
抄録

対称コマ形分子の縮重振動,球対称分子の3重縮重振動においては各振動ごとに振動の角運動量に関係したコリオリ定数が得られる。この定数は力の定数と密接な関係を有するので,振動数の実測値に加えてコリオリ定数の実測値を用いて,妥当な力の定数を最小2乗法によって計算した。エタン,メタンについて分子の幾何学的形と力の定数からコリオリ定数を計算するための一般式を求め,ヤコビァン行列Jah(∂ζa/∂Κh)をみちびいた。Urey-Bradley形分子内ポテンシァルを用い,メタンでは8個の振動数,4個のコリオリ定数を満足するように4個の力の定数の最適値を求め,エタンでは22個の振動数,6個のコリオリ定数を満足するように8燗の力の定数の最適値を求めた。その結果Urey-Bradley形分子内ポテンシァルが妥当であることが明らかになり,非結合原子間反ばつの力の定i数が重要な役割をなしていることがわかった。

著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© The Chemical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top