日本化學雜誌
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遠赤外分光法によるギ酸の吸着状態の研究
広田 鋼蔵中井 康雄
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1959 年 80 巻 7 号 p. 700-701

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抄録

ききに著者らはギ酸を金属触媒に化学吸着させると,ギ酸イオンとして存在することを見いだしたが,さらにこのギ酸イオンと金属との結合状態を調べるため,還元銀に対する吸着ギ酸の吸収スペクトルを遠赤外格子分光器を用いて研究した(測定範囲100~450cm-1).その結果,ギ酸イオンと銀との結合によると推定できる吸収帯を410cm-1と130cm-1とに見いだした.そのうち410cm-1の方は(〓)-とAgとの間の伸縮振動に対応するものと推論した.なお,気状ギ酸について235および160cm-1とに吸収帯の存在を認めた.これは最近のMillikan-Pitzerの結果と一致する.

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