1959 年 80 巻 7 号 p. 705-708
非対称型電解質16種類の水溶液に対するジエチルエーテルの溶解度を測定し, これら電解質の塩析作用について研究を行なった.著者らがすでに導出した塩析式
には電解質のmolality O.1<m<1.0の範囲内ではよく適用され, パラメーター Δs1は電解質の塩析作用の程度をあらわす.またΔs1と電解質の水和数やイオンの水和エネルギーとの間にも相関関係が存在することが見いだされた.さらにジェチルエーテルを純水中から電解質水溶液中にうつす際のエントロピー変化ΔSを計算した結果, 小さい半径のイオンからなる電解質を除いては一般にΔS<0であり, この原因について考察し, 水溶液内における水の構造に関して若干の推定を行なった.
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